【COTY 選考コメント】パラダイムシフト…清水和夫

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COTYのインサイドレポートをしましょう。まずは予選を通過した11台のノミネート車にエールを送りたいと思います。おめでとうございます。

予選を通過したのは2台の軽自動車であるスズキ『ワゴンR』とダイハツ『タント』。これにトヨタ『IQ』とフィアット『500』が日本とイタリアのコンパクトカーとして挑みます。セダンではアウディ『A4』とシトロエン『C5』とジャガー『XF』とマツダ『アテンザ』が選ばれてます。どのセダンに人気が集まるでしょうか。

日本が得意なミニバンではスバル初の『エクシーガ』とホンダの『フリード』に注目が集まってます。そして唯一のスポーツカー『GT-R』もノミネートされました。予選を通過しなかったのですが、日産の『エクストレイル』ディーゼルやVWのSUV『ティグアン』も魅力的です。

こうして4日に10ベスト(今年は10番目が同点だったので11台が予選通過)が選ばれ、10日に神奈川県・大磯プリンスホテルで試乗会とプレゼンテーションが行われました。そしてその日の夕方に投票し、11日の午前中に開票されたのです。

私の配点はどんな物差しでその年のイヤーカーを選ぶかと決めておかないと、毎年迷ってしまうのです。今年は「大は小を兼ねる」から「小は大を兼ねる」というパラダイムシフトに焦点を当ててました。11台のノミネート車は、色々な価値観を持ってますから、信念がないと空気で流されてしまうのです。だってGT-RとワゴンRが同じ土俵にいるのですからね。

●トヨタ『iQ』:10点---従来の常識を壊し、小さくても我慢することなく乗れるコンパクトカーに満点を与えました。軽自動車よりも短いのですから。『スマート』を父に初代『エスティマ』が母です。

●アウディA4:7点---フロントオーバーハングが小さくなり、フロントタイヤの位置が前方にフォーワードしました。これは天才的なパッケージです。

●シトロエン『C5』:5点---『C6』譲りの天才的な油圧サスにまいりました。価格も安くてデザインも素敵です。最も買いたいセダンです。

●スズキ『ワゴンR』:2点---乗り心地の快適性さに軽自動車の常識を覆したと思いました。

●フィアット『500』:1点---なんとなく心が和みました。

●特別賞---「モーストファン」に日産GT-Rを選びました。その理由は走る愉しさが満載しているからです。「アドバンス・テクノロジー」には迷わず日産エクストレイル・ディーゼル。日本のポスト新長期規制をクリアした技術は世界でも自慢できるのです。「ベスト・バリュー」にはホンダのコンパクトミニバン・フリードを選びました。パッケージ効率が高いのです。

IQとGT-Rは来年の欧州カーオブザイヤーに選ばれるかもしれないのですが、この2台は日本代表選手です。世界でも高く評価されるでしょう。

清水和夫|モータージャーナリスト
1954年東京生まれ。武蔵工業大学子通信工学科卒。『NAVI』、『エンジン』、『モーターマガジン』、『カートップ』など、自動車専門誌で連載多数。TVでもNHKを中心に活躍している。専門はクルマの運動理論。衝突安全と燃料電池に関しても造詣 が深い。主な著書は『クルマ安全学』、『燃料電池とは何か』など。愛車はポルシェ『カレラ4カブリオレ』とホンダ『NSX』。 自動車動画サイト『Start Your Engines』主宰。

《清水和夫》

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