証拠隠滅は悪質、死亡ひき逃げで実刑判決

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今年6月、広島県広島市中区内でバイクに乗っていた女性をひき逃げして死亡させ、さらには容疑車両の証拠隠滅を図ったとして、業務上過失致死などの罪に問われた20歳の男に対する判決公判が3日、広島地裁で行われた。裁判所は懲役3年6カ月の実刑を命じた。

事件は6月5日未明に発生した。広島市中区本通付近の市道交差点で、16歳の女性が運転する原付バイクと乗用車が出会い頭に衝突。女性は間もなく死亡したが、クルマは現場からそのまま逃走した。

クルマは後に現場から約1.6km離れた同南区内の駐車場で発見されたが、ナンバープレートは外され、車内には消火器が噴射されるなど証拠隠滅が図られていた。警察では車台番号から所有者を特定し、20歳の男を業務上過失致死や証拠隠滅教唆の容疑で逮捕。検察は同罪で起訴していた。

3日に行われた判決公判で、広島地裁の飯畑正一郎裁判官は「被告は見通しの悪い道路で前方を注視せずに走行するなど、過失は重大」と指摘した。その上で「救護義務を放棄したばかりか事故車両に消火器を噴射するなどの証拠隠滅工作まで行うなど、被告の無責任さは目に余るものがあり、悪質だ」として、懲役3年6カ月の実刑判決を言い渡している。

《石田真一》

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