構想10年、工事費161億円 いまだ駐車場できず

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構想10年、工事費161億円 いまだ駐車場できず
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台東区が建設中の地下駐車場が、計画から9年経過した今も完成しない。完成予定はさらに先の2008年だ。

台東区が工事費161億円の巨費を投じて建設しているのは「上野広小路駐車場」だ。収容台数300台。タワー駐車場をそっくり地下に埋めた形の地下2層、鉄筋コンクリート造りの機械式駐車場だ。

台東区上野2丁目、上野4丁目の中央通りと一部不忍通りの地下にあり、西郷隆盛の銅像がある上野公園に隣接する。

ところが、この駐車場の都市計画が決定したのは97年のこと。「東京都が作る地下連絡通路とつながっていて、駐車場を利用すれば、まったく雨に濡れずに京成上野駅やJR上野駅、JR御徒町駅など8つの駅に行くことができる」(都市づくり部土木課)と、その効果を強調するが、近隣住民からは「ずっと道路工事中。いい加減にしてくれ」という悲鳴が聞こえている。

工法の改良などで当初の収容台数200台は、同じ広さで約100台拡大されたものの、台東区の施策は遅きに失した感がある。建設中に道交法が改正され、自動車ユーザーは少しでも安い駐車場を、今この瞬間に求めている。また駐車場法も改正され、今後はバイク駐車に対応した駐車場を考える必要があるのに、この駐車場にそのスペースはない。すでに時代は新しい駐車場の役割を求めているのだ。

しかも開業後は、1台当たり5300万円もかかっている巨額の投資をいかに回収するかが課題となる。当然、それは割高な駐車場料金として跳ね返る。工事費は乗用車やバイクユーザーの負担したガソリン税を原資だ。優雅に時間をかけたあげく、駐車場料金を負担しなければならないユーザーはたまったものではない。

《中島みなみ》

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