クライスラー、国内のディーゼルSUV生産打ち切りへ

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先週「2007年初頭からフルサイズSUVのジープ『グランドチェロキー』のディーゼル仕様を米国内で販売する」と発表したばかりのクライスラーグループが、一週間もたたないうちにジープ『リバティ』ディーゼルの生産打ち切りを発表した。

同社によると、米連邦政府が来年度から導入予定の、現在よりも厳しい排ガス基準に、現行のディーゼルエンジンが合致しないことが判明したため。新型エンジンを開発、導入するのはコスト的に合わないと最終的に生産中止が決定されたという。

クライスラーでは「目標はあくまでグランドチェロキーのディーゼル仕様の発売で、そのテスト版とも言えるリバティのディーゼルはユーザーの支持を受けている。我々はディーゼルがより良い燃費、パワーをもたらすオプションと考えているが、残念ながら連邦政府の新基準に合致しない結果となった」とコメント、グランドチェロキーのディーゼルバージョン発売をあきらめたのではない、というニュアンスをのぞかせた。

2005年に発売が始まったリバティのディーゼルバージョンは、1万1000台以上を売り上げ、クライスラーの期待以上の結果を出した。しかし総合的な販売台数から見て、新型のディーゼルエンジン開発の設備投資などがコストに見合うものではないと判断された。

ヨーロッパではディーゼルエンジン車の割合が50%を超えるが、アメリカでは昨年の実績で3%程度。クライスラーでは2007年以降のディーゼル導入、販売増に期待を寄せているが、「ディーゼル=悪玉」という意識が染み付いたアメリカで、人々の意識を変革できるのか、今年秋以降が勝負となりそうだ。

《Sachiko Hijikata, US editor》

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