仮眠の運転手を起こして仕事…運送会社を送検

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今年3月に横浜市内の東名高速で発生し、5人が死傷した多重衝突事故について、神奈川県警は26日、事故原因となった大型トラックを所有する愛知県豊川市内の運送会社の社長と、法人としての同社を道路交通法違反容疑で書類送検した。

神奈川県警・高速隊によると、問題の事故は今年3月20日に発生している。同日の午前1時20分ごろ、横浜市青葉区荏田西1丁目付近の東名高速上り線で、工事によって生じた渋滞の車列に対して36歳の男が運転する大型トラックが最後尾にいた別のトラックに追突。

これが前方に押し出されるなど、次々に追突を繰り返し、車両7台が関係する多重衝突事故に発展した。

この事故で3人が死亡、2人が重軽傷を負ったが、業務上過失致死傷容疑で逮捕された運転手は「ほとんど休みが無い状態で勤務しており、事故の前日も仮眠中に起こされた」と供述。「疲れていて、瞬間的に居眠りをしていた」と、事故が過労運転によって生じた可能性を認めていた。

その後の調べで、逮捕された運転手は事故を起こす1カ月前から算定した場合、2日間しか休みが無かったことが判明。1日の勤務時間も13-14時間に達していた。

警察では会社側が過酷な勤務を容認し、運転手が過労状態であることを把握しながら運転を強行させていたと判断。道交法違反(過労運転容認)で運送会社を経営する51歳の男と、法人としての会社を書類送検した。

取り調べに対し、社長の男は「運転手が疲れていることはわかっていたが、業務を優先させてしまった」などと供述しているという。

《石田真一》

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