フィアット会長、アニェッリ氏死去…後継者は?

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フィアット社会長ウンベルト・アニェッリ氏が27日夜、がんのためトリノ郊外の自宅で死去した。69歳だった。1934年スイス・ローザンヌ生まれ。父親はフィアット創業者ジョバンニ・アニェッリ1世の長男エドアルド。

大学卒業と同時に、一族が所有するトリノのサッカーチーム、ユベントスの経営に携わる。その後フランス法人などを経て、66年フィアットに入社。70年から代表取締役、続いて副会長として、兄のジョヴァンニ会長とともに経営手腕を発揮した。76−79年、上院議員も務める。その後、社内人事の問題から93年にグループ持ち株会社に移籍した。この時期、日本−イタリア間の経済交流分野でも活躍し、褒章も受けた。

昨年1月の兄ジョバンニ死去にともない、翌月にフィアット会長に就任。経営再建計画に着手したところだった。

私生活でも、父親の航空機事故死、ベスパ・スクーターで知られるピアッジョ社の創業家令嬢との離婚、兄ジョバンニの従妹との再婚、さらに97年には長男の若き死、と波乱の人生を送った。

ウンベルト氏死去にともない、イタリアのメディアでは早速“フィアット帝国”の後継者予測に関心が寄せられている。有力視されているのは、姪の長男で97年から取締役のジョン・ヤコブ・エルカーン氏。しかし今年28歳という若齢と依然厳しい経営状況ゆえ、取引銀行がイタリアの伝統的世襲を許すかは未知数だ。

なお、日曜のイタリア・サッカーの対チュニジア親善試合では、ウンベルト氏に弔意を表して喪章着用と1分間の黙祷が予定されている。

《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

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