静岡県警は17日、有料駐車場の料金支払機の上に置き忘れていた財布を盗んだとして25歳の男を16日までに窃盗容疑で逮捕していたことを明らかにした。
静岡県警・富士署の調べによると、この男は14日の午後5時ごろ、富士市本町付近にあるコインパーキングを利用した際、料金支払機の上に現金30万円あまりが入った財布が置き忘れられているのを発見し、それを盗んだ疑いが持たれている。
置き忘れに気づいた44歳の会社役員の男性は駐車場の管理会社に連絡。管理会社の社員は現場に財布が無かったことを当日中に確認したが、料金支払機の上には防犯カメラが設置されており、15日午後からこの男性立会いの元で画像のチェックが行われることになった。
男性と管理会社社員は防犯カメラが撮影した映像で、若い男が財布を持ち去るところを確認。警察に被害届けを出そうという話になった。ところが正にそのとき、財布を盗んだ男に酷似した人物が駐車場を利用していたため、男性は現場から携帯電話で警察に通報。男は容疑を否認していたが、駆けつけた警察官に窃盗の容疑者として任意出頭を求められた。
警察署内で管理会社から証拠として提出された防犯カメラが撮影を行った映像をチェックしていたところ、周囲を見回すようにしてから財布を持ち出す男の姿が鮮明にキャッチされていた。警察官はビデオ映像を男にも見せたが、男は「ここまで撮影されているのなら認めるしかない」と容疑を認めたため、警察では16日までに逮捕している。
防犯カメラは料金支払機の破壊や、駐車料金の未払い利用を防ぐために設置されていたが、思わぬ形で役に立ったようだ。