飲酒運転の罰則強化が事故を減らした? ……交通安全白書

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内閣府は3日、2002年度の交通事故発生状況を集計した「交通安全白書」を発表した。交通事故の発生件数は93万6721件、死亡者と負傷者の合計は117万6181人となった。昨年6月に施行された改正道路交通法によって飲酒運転の罰則が強化されため、事故件数と死傷者の数が前年よりも大きく減っているという。

これは全国の警察本部に集まったデータを内閣府が集計し、独自の分析を加えて公表されるもの。3日に開かれた閣議で了承され、同日から内閣府Webサイトでも概要をまとめたファイルが公開されている。

2002年度に発生した交通事故の総件数は93万6721件で、2001年度と比べ1万0448件の減少となった。発生件数の減少は死傷者数の減少にもつながっており、昨年度は117万6181人(うち死亡者8326人、負傷者116万7855人)となった。こちらも前年度より1万3521人の減少となっている。

交通事故の発生減数に貢献したのは、昨年6月に施行された改正道路交通法によって飲酒運転の罰則が強化されたことによるものとみられている。改正道交法施行後の6月から12月までの間に「飲酒運転を原因とする死亡事故」は522件発生しているが、一昨年の同時期と比べ190件も減少しており、効果は現れているとする。

また、交通事故の負傷者で最も多い年代は16〜24歳の若年層、死亡者で多いのは65歳以上の高齢者だという。若年層は事故を起こして死に至るケースも多く、若年層と高齢者の死亡者合計数は死者全体の半数を超える数値になる。

内閣府では高齢者の事故被害者を削減するため、全国1000カ所に「あんしん歩行エリア」を整備し、歩行者または自転車対クルマの事故を2割削減することを目指すとしている。

《石田真一》

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