『ラウム』のアイデンティティとも言うべきスライドドアは、今回のモデルチェンジでも採用された。
「発売から3年間、コンスタントに月4000台を販売してきました。それもこのラウムならではのスライドドアが支持されたからなんです」とふり返るのは、第2開発センター 第2ボデー設計室の大塚晋グループ長。
もっとも今回は、ただのスライドドアではない。ぱっと見では分からないが、ドアを開けてみて驚いた。助手席側のBピラーがないのだ。トヨタが「パノラマオープンドア」とよぶこの構造によって、1.5メートルもの間口が出現する。
「たとえばチャイルドシートを装着するとき、間口が広いとそれだけ作業が楽になりますよね。また、体の不自由な方やお年寄りの方の乗り降りにも役立ちます」と大塚グループ長はメリットを説明する。
今回のモデルチェンジで、スライドドアによる利便性を中心とするラウムの個性がより明確になった形だ。