ひき逃げ容疑者を偽装…一番最初に現れるヤツは一番怪しい?

自動車 社会 社会

大阪府警は24日、昨年12月にひき逃げ事故を起こしたとして逮捕していた29歳の男性が事故とは無関係とわかり、誤認逮捕を認めるとともにこの男性を逮捕から2日後にに釈放していたことを明らかにした。事故の直後、この男性を呼び出して運転を交替させていた28歳の暴力団員の男を真犯人として逮捕したことも明らかにしている。

大阪府警・西成署の調べによると、問題の事故は昨年12月14日の午後11時10分ごろに起きた。大阪市西成区南津守の府道交差点で、22歳の男性が運転するバイクと乗用車が出会い頭に衝突。バイクが転倒した際に運転者が投げ出され、左足の骨を折る重傷を負ったというもの。乗用車はそのまま現場から逃走したが、事故直後の午後11時40分ごろ、ひき逃げ車両を探すために行われていた一斉検問で容疑車両と見られるクルマを発見。捜査員が質問しようとしたところ、クルマはそのまま逃走して行方がわからなくなった。

警察ではひき逃げ事件として捜査していたが、15日の午後になって西成署に男が出頭し、「自分のクルマを友人が運転していた際、人をはねてしまったらしい」と供述した。出頭した人物が助手席に乗っていたことは前夜に職務質問を行おうとした警官が確認。警察ではこの男の友人が事故を起こしたものと断定し、男を業務上過失傷害と道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕した。

ところが男は容疑を否認。出頭してきた男とは堺市内の飲食店で待ち合わせをしており、職務質問から逃走した際も飲酒運転の発覚を恐れたためと供述を続けた。その後の調べで、この男が事故が起きた時間、供述どおり堺市内の飲食店にいたことが確認され、アリバイが成立するという結果になった。このため、警察は男を釈放し、さらに捜査を進めてきた。この結果、警察に出頭してきた男が自分の罪の発覚を恐れて自演した可能性が高まり、今月10日に改めて逮捕した。

府警では誤認逮捕の発表が遅れたことについて「もっと早く公表すべきだった」と陳謝している。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース