暴走族の勢力が広がっていく!! 広島で問題浮上

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広島県警は24日、今年上半期(1月−6月)の暴走族活動状況を公表した。暴走族追放条例が施行された広島市周辺の構成人員は昨年と変化が無いが、これまで暴走族が存在しなかった周辺地域での活動が確認されるようになったという。

この調査は所轄署から提出された暴走族に関するデータをまとめたもの。広島県内で活動する暴走族は、これまでその活動の中心を広島(26グループ/188人)、福山(6グループ/25人)、呉(4グループ/32人)などの人口密集地に置いてきた。この3市だけで暴走族全体の9割近い数が集中する。もちろんその全てに暴力団の影が見え隠れするという状態は変わっていない。

上半期で最大の変化は、これまで暴走族の活動が確認できなかった尾道市と東広島市において、それぞれ1グループ/12人、2グループ/23人が集団暴走を行なっていることを警察が確認している。この両市ではここ数年の間、暴走族が確認されない空白地帯となっていた。ところがその空白地帯にも食指を伸ばしてきたというわけだ。

尾道で活動する暴走族の背後には、暴力団の姿があることがすでに確認されている。元暴走族メンバーで、現在は暴力団構成員の面倒見役が逮捕されたことによって発覚したもので、暴走はこの面倒見が指示し、現場で指揮も取っていた。

追放条例施行により、広島市内での取り締まりが厳しくなってきたため、暴力団も郊外の街に勢力を伸ばし、有望なメンバーを送り込んで新たな暴走族グループを発足させる動きが確認できるようになったという。もちろん目的は暴走族メンバーが作り出す上納金で、これまで暴走族の活動が無かった地域ではこうした不正な金の取立てもしやすいとみられる。

警察では夏休み中に新たなグループが誕生する危険性は高いとして、警戒を強めるとともに、組織として成立する前の段階で摘発を進めるなどの対策を進めていく方針だ。

《石田真一》

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