このゲームは、なんとフォード車のみが登場するフォード・マニア向けのドライブゲームである。日本にどれだけのフォードマニアがいるか分からないが、1メイクスに限定したドライブゲームというのはユニーク。最近、ドライブゲームを企画するにあたってライセンスの問題がクローズアップされるが、そのなかで『ポルシェ』や『フェラーリ』の1メイクス限定ゲームというのはよく見かける。自動車メーカーは、1メイクスのゲームを作ってくれるなら協力的になれる、ということか。
登場する車種は、小型車の『KA』やモンデオ、フィエスタ、エスコート(フォーカスはエスコートの後継モデル)、ピューマ、GT90、トーラスなど12車種。フォード以外のクルマは登場しない。
実際にプレイした感想として、レースゲームとして緊張感に欠け、間が抜けた印象だ。とくに、ローエンドの低出力マシンでは、アクセル全開で淡々と走るだけである。
グラフィックは、ほかの多くのPCゲームにみられる背景の自然さがあまり感じられず、いかにも作られた背景という感が強い。いっぽうクルマは詳細まで再現されている。リプレーを見ると、クルマの中のドライバーまでしっかりと描かれている。ドライバーズビューではインパネ部も表示され、スピードとタコもしっかり機能している。
PCゲームならではの準備も、とくに難しいパートはない。インストールも非常に簡単だ。CDの自動起動により指示どおり行えば問題はない。
ステアリングコントローラーに関しては、このゲームもマイクロソフト社のフォースフィードバック・ハンドルがおすすめである。しかし、せっかくのフォースフィードバックハンドルだが、フィーリングが希薄で多少物足りない感じがした。壁などにぶつかった時には衝撃が伝わってくるが、ドリフト時にハンドルにかかる手応えの変化などは、ないに等しい。
全体として「企画先行のゲーム」という感じが強い『Ford Racing 2001』。フォードマニアならもっていても損はない1本だ。