【新Cクラス日本上陸!!】最速テストドライブ座談会(その3)「スポーティなBMW3シリーズを超えた!!」

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【新Cクラス日本上陸!!】最速テストドライブ座談会(その3)「スポーティなBMW3シリーズを超えた!!」
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●Aピラーが寝てても広い!?

S さて、じっさいに乗ってみての印象はどうでした?

F 見た感じも小さいし、運転してもボディの大きさを持て余すような難しくはなかったな。バックするのも楽だし。

S ただ、四隅の感覚はメルセデスにしてはつかみにくいと思ったな。

N 新型は最近のトレンド通りに、円形のアーチを描くキャビンのラインを持っていて、AピラーもCピラーも今までよりかなり「寝て」いますよね。実際にシートに座ってみると、外から見て予想したほどには、Aピラーの圧迫感はなかったですね。

S Aピラーの圧迫感は乗り出してすぐに慣れたけど、ピラーのせいで斜め前方の視界はやや悪く感じたな。あのドーム型キャビンは、空力特性向上とクラッシュ・ゾーンの確保のためですかね。

M そうでしょう。もうドーム型のキャビンは世界的な傾向になっているね。Aピラーを傾けた上で、どうパッケージを作るかという時代になっていると思う。外から見るとキャビンが小さそうに見えて、スポーティな感じだけど、室内はじゅうぶん広いですね。

N 現行型と比べると、室内では「守られている感じ」が減りましたね。頭が包まれてる感じが弱いんです。現行型では後席に座ると、顔の横にCピラーがあるので「守られている感じ」が強いんだけど、新型では顔の横にも後ろにも、すぐにガラスがある。それから、前を見たときに、屋根から感じる圧迫感が増えましたね。

S 寸法としては十分な空間はあるけれど、ドーム型のルーフ特有の閉塞感はありますね。

M フロントシートは広い感じがしたな。少なくともアルファ156よりは。ダッシュボードのデザインは、ぬめぬめと有機的な線を使って、いろいろな曲面で構成されているね。これは斬新だった。

F 助手席も十分な広さがある。FRの場合、ギアボックスの出っ張りのせいで足下が狭くなることもあるけれど、Cクラスはその辺の問題はなかったね。

●さあ、キーをひねっていざ発進

S さて、新型Cクラスは、世界的に見ても大ヒットした「先代BMW3シリーズ」からの買い換えを相当意識したクルマだと言われているよね。その「走り」はどうだと思った? 「3シリーズ・キラー」といわれるスポーティさは?

M 外観からは、もっとシャキッと走るかな、と思ったけど、そういう軽やかさよりも、いかにもメルセデスらしい重厚さや、意識的に演出された、ちょっと鈍な感覚のほうを強く感じたな。アクセルペダルや、ステアリングのの独特な「重さ」とか。

S V6ユニットはトルキーで、スムーズで、トップエンドまで回してもパワーが衰えない。教科書的に良くできたエンジンだったね。そして例によって「剛性感」と「どっしり感」、それによる「安心感」をドライバーに感じさせるのがうまい。僕も、スポーティになったことよりも、従来型の「正常進化型」だという印象の方が強かったな。

F ただ比べると、やっぱり3シリーズのほうが、エンジンの吹け上がりや加速、ステア・フィールのスムーズさでは優れているね。新型Cクラスはステア・フォールにメルセデス流の「ぶよぶよ感」がやっぱりある。とはいっても、新型Cクラスの走りは、現行Cクラス、少なくとも西内さんの乗っている前期型と比べると、確実にスポーティになっているよ。

N ボクの印象でも「クルマと路面、運転者との優れたインターフェイスや、乗り味そのものは変わらないな」という感じでしたね。今回は都内の一般道と首都高を少し走っただけで、飛ばしたわけでもないし、乗ったのも最強バージョンとはいえ「エレガンス」仕様だから、断言はできないけれど、確かに「スポーティ」というよりは「メルセデス伝統の乗り味」という感じが勝っている。デザインは若々しくスポーティに変わった。そして走れば、3.2リッターだから当然だけど、確かに速い。でも細かいところを見ていくと、確かに速いんだけど「何か」が足りないんですよ。

S それは官能性とかそういう部分だと思いますね。エンジン音も回転フィールもパワーの出方も、ステアリング・フィールも悪くない、どころか教科書的に素晴らしいんだけど、アルファやBMWのようなエロスはないですからね。でも、この言い方って高性能な日本車を批判するときと同じ理屈だ、というところが変だけど。

●かなりスポーティになった

F エロスうんぬんはともかく、新型の変貌ぶりをもう少し具体的に言いたいね。三浦さんはさっき新型Cクラスにメルセデス独特の「重さ」を感じたと言っていたけれど、細かく見れば、新型のアクセル・ペダルなんて今までのものと比べたらピョンピョン軽くて、驚くよ。ラック・アンド・ピニオンに変わったステアリングも、直径そのものがだいぶ小さくなっているし、あの独特のハンドルの重さと一種のフリクションも、だいぶ少なくなっている。そういう意味では、たしかに3シリーズ近づいている。それから、シートがいままでの硬いベッドみたいな座り心地じゃなくて、トランポリンのようにポンポン弾む柔らかい感じになっていたのには驚いたな。

S つまり、「メルセデスなりに3シリーズに近づいたけれど、あくまでもメルセデスはメルセデス」なんですね。

F そうだね。「メルセデスにしては」かなりスポーティさを与えたとは思う。

M でも俺はステアリングやアクセルのレスポンスはメルセデスらしい味だと思ったけど、目地段差を乗り越えた時なんかの、サスペンションのショックの吸収の仕方なんかはメルセデスらしくないと思ったな。

S たしかに、運転席以外の席に座っていると、乗り心地は「メルセデスに乗っている」気がしないね。高級感が低下している。

N でも、乗り心地やサスペンションのフラット感の問題は、履いているタイヤの太さや、銘柄にもよって変わりますからね。今日乗ったのは「エレガンス」仕様だけだから、この1台だけで「乗り心地はこうだ」と結論づけるのは危険だと思いますよ。

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