旨い! という話をよく聞くので行ってみたいと思いつつ、通りがかったときはいつも行列でいっぱいか、お店が昼休み。縁がないとあきらめることはできなかったのが、国道16号の「もつ煮太郎」だ。
国道16号で野田方面から柏方面に走り、常磐自動車道の柏インターの入り口を過ぎて、柏インターからの合流に至る手前の交差点のところに小さな店舗の「もつ煮太郎」はある。
たまたま立ち寄れたこの日も前の駐車場はほぼ一杯。ほんの数台のことで、また駐車場にすら入れないところだった。
カウンターに座り頭上のメニューを見上げるといろいろあるが、やはり、ここはもつ煮の定食「煮込定食」だろう。注文すると、すぐにカウンターの奥にある大鍋の中からよそってくれた。もつ煮は大鍋で常にスタンバイしているのだ。
周りの人はほとんどがもつ煮を食べている。ほかのメニューを食べている人も、もつ煮は食べている。なるほどこんな風だからこれがなくなったらそれは昼休みに入るなと合点がいった。
注文してから出てくるまでの時間も短い。そして、目の前に置かれるや否や、私の食欲にスイッチが入った。湯気のたつ煮込みと飯とそのアピアランス。そして香り。モツのにおい、ホルモンの臭みのようなものはなく、醤油がベースだろうか、食欲をそそる香りが飯と一緒に出てくるのだ。
もつ煮は、ゴボウやこんにゃくで歯ごたえのコントラストを呈しつつも、メインはもつ。脇役の主張と節度のある案配が素晴らしく、ぷりぷりなモツの食感を引き立てる。たっぷりと載ったネギ独特の辛味が少しくったりとしてきた頃が食べごろだろうか。
そのほかに、わかめ、豆腐に油揚げと具だくさんなみそ汁と沢庵。沢庵もそう上等なものではなく黄色く甘い何の変哲もない沢庵である。でもそれがむしろ良いのだ。時々の沢庵が箸休めに素晴らしい。味の濃いモツ煮はとにかく旨いし、何しろ温まるのだ。
私が注文した、ご飯ももつ煮も大盛の「両方大盛」でも900円とリーズナブルな価格がうれしい。なるほど、これは人気なはずだし、足しげく通いたくなる。16号を走っていたら寄りたくなるし、それが寒い日ならなおさらだ。