宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、観測ロケットS-520-29号機を8月8日19時00分~19時30分に内之浦宇宙空間観測所から打上げる。
観測ロケットS-520-29号機は、「スポラディックE層空間構造の立体観測実験」のために打上げる。
実験では、3つの異なる手法による観測データを組み合わせて、電離圏E領域プラズマ密度分布を立体的に観測する。密度の水平方向の分布は、スポラディックE層中に存在する金属イオンによる太陽光散乱光をロケットから撮像し、ロケット搭載のプローブ(プラズマを測定するための電極)では、飛翔軌道上の詳細なプラズマ分布を観測する。さらに地上からの送信電波をロケット搭載の機器によって受信し垂直方向のプラズマ密度分布を推定する。
実験では、ロケットから金属イオンによる散乱光の観測を行うため、太陽光が電離圏E領域を照射していることが条件となる。
ただ、成層圏以下(高度50km)の領域が日照だと、背景が明るく撮影条件が悪くなるため、この領域は日陰となることが条件で、この状況になるのは朝夕の短時間に限られるが、今回の実験は夕方に行うため、ロケット打上げのタイミングは1日1回に限られる。
実験には、東京大学、北海道大学、東北大学、富山県立大学、東海大学とJAXAが参加する。