三菱重工、バスの位置情報に基づく情報提供システムを開発…シンガポールで実証

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三菱重工、シンガポールのバス車内向け情報提供システム「CITIUS」を開発
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三菱重工業は、慶応大学とシンガポール国立大学(NUS)が設立した研究機関のKeio-NUS CUTEセンターと共同で、シンガポールのバス車内向けに位置認識技術に基づく情報提供システム「CITIUS(キティウス」を共同開発したと発表した。

CITIUSは、バスの位置情報に基づいて、運行情報や付近の店舗情報などをリアルタイムに知らせるシステム。

GNSS(全地球航法衛星システム)を利用した精密な測位データに基づき、バスの位置をリアルタイムに認識し、その場所に応じた情報を車内のデジタルディスプレイに表示する。表示する情報は、次のバス停の名前や近くの公共施設に関する情報、イベント案内などのほか、路面の凹凸や速度制限、急カーブなど走行中の道路に関する注意すべき状況について警告することも可能。

携帯電話のネットワークを介してサーバーに集められるプローブデータを使って車両の遠隔監視や、蓄積されたデータを分析することで、安全なバス運行の研究に役立てることも可能となる。

バスの運転士は、乗客へのアナウンスなどの接客業務から解放され、運転マナーや省エネに向けた運転技法に集中できる。バス運行業者は、バスの運行状況をリアルタイムで把握、登録店舗などからの広告収入による収益向上も見込めるとしている。

CITIUSの開発では、三菱重工はスペイン・マラガ市や関西文化学術研究都市(けいはんな学研都市)で取り組んでいるスマートコミュニティ実証事業や、GNSSを使った車両課金システムの開発などで培った高精度測位技術や、ITS(高度道路交通システム)分野での信頼性の高い製品化技術を提供した。

Keio-NUS CUTEセンターは、メディア技術やプローブデータの管理手法など、最先端ネットワーク技術を融合して簡便なシステムに仕上げた。

CITIUSは現在、NUSキャンパス内を巡回するバス2台に導入され、実証運用を通じて導入効果を検証中。今後、三菱重工とKeio-NUS CUTEセンターは、現在の交通問題に対する最適ソリューションとなり、将来の都市交通基盤に革新をもたらす情報システムの開発に取り組むとしている。

《レスポンス編集部》

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