三菱重工、シーメンスと製鉄機械事業の統合で合意…15年1月に合弁会社設立

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三菱重工業は5月7日、ドイツのシーメンスと、製鉄機械事業を統合することで合意したと発表した。

両社はそれぞれの製鉄機械事業を移管する合弁会社を2015年1月に設立する予定。製鉄機械事業での製品ラインナップを拡充するとともに、グローバル展開を加速するのが目的。合弁会社は、製鉄プロセスの上流から下流までをカバーする製品をフルラインで供給する体制を整備するとともに、世界的な事業ネットワークを構築する。

世界の鉄鋼業界では、設備過剰、原材料コストの増大、製品価格低下などの影響から、設備投資意欲が低調に推移する見通し。今回の事業統合は、製品拡充と事業拠点網の整備により事業強化を目指す三菱重工側と、事業ポートフォリオ見直しの中で製鉄機械事業の体質改善を急ぐシーメンス側、両者の狙いが一致したことにより実現した。

合弁会社は、三菱重工の連結グループ会社で日立製作所、IHIも出資する三菱日立製鉄機械と、シーメンスのグループ会社がドイツ、オーストリア、米国などに持つ製鉄事業を分割・集約する。本社は英国国内に置き、傘下に事業会社を抱える。出資比率は三菱日立製鉄機械が51%、シーメンスが49%とする計画で、CEO(最高経営責任者)は人選している段階。

また、合弁会社は、日本(東京/広島)、オーストリア(リンツ)、ドイツ(エアランゲン)、米国(ピッツバーグ)、中国(上海)、インド(ムンバイ)の6カ所に地域拠点を置き、全世界をカバーする。製品ライン別の事業部は、東京/広島、リンツ、エアランゲンの3カ所に分けて設置し、その他の三菱日立製鉄機械とシーメンスの既存事業拠点は、担当製品により、東京/広島かリンツの傘下に入る予定。

英国本社は、事業部も含め地域拠点を統括するとともに、販売・マーケティング・顧客管理、調達、製造、研究開発計画など、組織横断的機能を持ち、各拠点をバックアップしていく。新会社発足時の従業員は約9000人の予定。

2000年10月に三菱重工と日立の合弁会社として発足した三菱日立製鉄機械は、昨年10月にIHIメタルテックとの圧延機分野で事業統合を完了した。これによって連続鋳造、熱・冷間圧延、条鋼圧延から、最下流となる連続焼鈍・亜鉛めっき設備までの製品供給が可能となっている。

今回、シーメンスグループとの事業統合により、最上流の高炉・電炉設備が加わる。これによって製品ラインナップが拡充され、全製鉄プロセスでの製品供給能力が高まるとしている。

さらに両社が得意とする地域をお互いに補完することで、アジア、欧州、ロシア、北中南米、アフリカなど世界的なネットワークが構築できる。

《レスポンス編集部》

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