フォルクスワーゲンは27日、2014年までの5年間に、ブラジル市場に23億ユーロ(約3000億円)を投資すると発表した。新型車の積極投入や工場設備の増強に充てられる。
フォルクスワーゲンは現在、ブラジル市場でのトップメーカーに君臨。2009年1 ‐ 10月累計では前年同期比15.9%増の52万9000台を販売しており、市場シェアは25.7%と前年同期よりも1.7ポイント上昇した。さらなる市場シェア拡大を目指して、約3000億円の投資に踏み切る。
投資は新型車の積極投入や工場設備の増強が狙い。フォルクスワーゲンのブラジルでのラインナップは全26車種で、2007 ‐ 2008年は『ゴル』『ボヤージュ』『フォックス』『サヴェイロ』などの新型車を発売した。今後、さらに車種を増やし、年間100万台のセールスを狙う。
具体的には、アンチエータとタウバテの両完成車工場とサンカルロスのエンジン工場の設備を増強。1日当たりの生産台数を現行の3000台から上乗せする。
フォルクスワーゲンの最大市場は中国であり、次いでドイツ、ブラジルの順。フォルクスワーゲンのヴィンターコルンCEOは、「ブラジルは非常に重要な市場。2014年までに年間100万台の生産を目指す」とコメントした。
同社の調べによると、ブラジルでの自動車保有者は7人に1人の割合。これが今後5年間で、4人に1人の割合まで普及するという。フォルクスワーゲンはブラジル市場の急拡大に対応した先行投資で、シェアナンバーワンを維持する方針だ。