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X-ICE XI3
  • ミシュラン 最新スタッドレス 日本発のMICHELIN X-ICE XI3を徹底分析
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徹底した見直しと試行錯誤が生み出した革新

  • 速度レンジHは世界の要求/サイプ形状、生産手法にこだわり
  • コンパウンドはX-ICE XI2を継承/徹底したシミュレーションの成果
イメージ XI3はコンパウンドには特別な変化を加えていないという。(聞き手:モータージャーナリスト 斎藤聡氏)。
 
イメージ XI3におけるアイス接地面の圧力分布に関しては、XI2での検証に加え、一層の研究が重ねられた。

コンパウンドはX-ICE XI2を継承

斎藤:コンパウンドはフルシリカコンパウンドですよね。他に特別な材料や補強材は。

大江:XI2を継承してました。XI2でコンパウンドに工夫を凝らしましたので、そこから大きく変わったり、何かを新たに配合したということはないです。

斎藤:国産タイヤは割とコンパウンド重視のところがあると思いますが、ミシュランはあまり新材料が入りました、というのをやらないですよね。

大江:派手に何か新しい技術があったほうがマーケティング的には話しやすいのですが、そこはミシュランらしいというか、開発のアプローチとして新材料ありきではなくて、市場からの要求としてタイヤに求める性能は何か、というところから入っていきます。我々は、XI2の性能は今でもバランスが良く、十分に優れていると思っていまして、このXI3もコンパウンドはこれを継承しています。コンパウンドついては、開発の段階でかなりデータを蓄積していて、何をどうすればどうなるかというのが、はっきり見えています。最終的にどこに辿りつきたいのかをまとめあげて、(これがものすごく時間がかかるのですが…。徹底的に議論して決めていきます。)今回は結果として技術的なアプローチで性能が達成できるということで、新材料を入れることはしなかったのです。

斎藤:と言われても、XI2からXI3になって性能の伸びしろがすごく大きいので、にわかには信じられないのですが。

大江:アイスに関しては接地面の圧力分布がすごく重要です。XI2開発のときと比べてもシミュレーションでさらにいろいろなことが見られるようになってきています。接地分圧はサイズごとにすべて見直しています。

 
 
 
イメージ XI2に比べ15%増えたブロック。剛性を保つために考え直された。

徹底したシミュレーションの成果

斎藤:乗車してみたときに、いかにも接地面が広い感じの、ヒタッと手のひらを開いて路面をホールドしているような接地感がありました。これはすなわち、均一な接地面分圧を感じているということなのですね。それでいながら雪の性能もすごく良い。

大江:雪の部分は氷上性能と背反するところなのですが、今回の解決策として、XI2から15%アップしたブロックでより多くの雪柱せん断力を実現しようとしました。本当は細かい技術がたくさん入っているのですが。

 
 
 
イメージ 市場ニーズを汲み取りゴールを決め、最適な方法でアプローチしていく。
 
イメージ 日本ミシュランタイヤ 大江一孝プロダクトマーケティングマネージャー。世界のニーズ、各国のミシュランタイヤ開発者、関連部署と意見を交換し、ひとつのタイヤに仕上げていく。

斎藤:なぜこんなにトラクションが良いのかと観察していたら、タイヤがすぐに黒くなるのを発見しました。タイヤの雪離れが良いため、フレッシュなエッジが効いてくれる感じがするのですが。

大江:細かい決められた定義があるわけではないです。ピッチやサイプに工夫はありますが、具体的にこれというのはないです。ただプロファイルがややラウンド気味ショルダーになっていて、その部分の雪が抜けやすいというのはあると思います。

斎藤:ブロックの剛性などは。

大江:ブロック剛性をいかに確保するかがXI3の一つの課題でした、15%増のブロックは、ブロックが小さくなっているということを意味します。XI2に似ていると言われるのですが、実は全部やり直しています。すべてのブロックを、剛性が出るにはどういう形がいいのか見直しています。それとサイプの入りですね。数を少なくしたり、角度を見直したり。ブロック形状、サイプの入れ方をシミュレーションしてやり直しました。このあたりにはすごく工数がかかっています。X‐ICE伝統のⅤシェープのアングルも、角度も、XI2とは違います。

横方向に対しても、ステアリングを切ったときにブロックはどう動くのかをシミュレーションして、形状とサイプを入れる角度でどういう剛性になるのかも一つひとつ見て、やり直しています。

斎藤:ものすごい手間をかけているのですね。XI3の性能を高める大きな要因になっているのはここですか。

大江:そうだと思います。

斎藤:デザインや新材料ではなく、まず性能ありきで、それに向けて技術や工夫を凝らすことで製品を作り込んでいく。なぜXI3で高性能が実現できたのか、理由の一端が判ったような気がします。

 
 
 
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