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クルマに寄り添うデザイン… 空間スタイリスト 黒田美津子黒田美津子

 

パナソニック ストラーダ Lシリーズ車種専用ナビゲーションで、デザインコンシャスな室内を手に入れる。

パナソニック ストラーダ L シリーズ イメージ パナソニック ストラーダ L シリーズ イメージ

クルマのデザインの魅力は外観だけではない。運転席、助手席の目の前に長時間展開するのはインパネや天井、シートなどの室内インテリアである。

そのデザインは愛車の大事な要素のひとつ。車を購入する際も外観だけでなく、室内のデザインも五感をフル動員してよく確かめ、そのバランスや相性で決定する場合が多いはずだ。

さらにいえば、1代前のビートルのインパネのように小さな花瓶がついている、といった遊び心があれば魅力的。居住空間の快適さやモダンなデザインに共感する層が増えて、デザインが買い物の動機のひとつになっているいま、インテリアが購入の決め手になる場合もありそうだ。

室内デザインにこだわる場合はなおさら、気になるのが中央に来るナビゲーションの存在だった。市販の機種を選んだ場合、周囲と合わせるための不必要なパネルが増えるなど、インパネの真ん中に別コンセプトのデザインが来ることでまとまりがない印象になってしまう。

また、ナビで一番大事なのは安全で見やすいこと、機能である。これはもちろんおろそかにはできない。だからといって多くのボタンやオーナメントにあふれたデコラティブすぎるモデルに偏りがちなのが気になっていた。

 
パナソニック ストラーダ L シリーズ イメージ

今回、試したパナソニック「ストラーダ Lシリーズ」は、日産『セレナ』とホンダ『ステップワゴン』、ふたつの特定車種専用に作られた、いわば特注デザインの新モデルである。

この新モデル、いつの間にか諦めていた車の室内デザインに対するもやもやを晴らしてくれるという。

 

パナソニック ストラーダ L シリーズ イメージ

パナソニック ストラーダ L シリーズ イメージ  パナソニック ストラーダ L シリーズ イメージ

日産セレナに搭載されたLシリーズは、一目見て、インパネとひとつながりに調和しているのがわかる。全体となじむ滑らかさは秀逸。セレナの室内デザインの特徴である、コンテンポラリーなつや感や、流れるように特徴あるラインを持つインパネのデザインと、このナビが一体となっているだけでなく、色彩や素材感、デザインイメージまで徹底的に寄り添っている。

たとえばシフトレバー周りの、グロッシーなピアノ仕上げのデリケートさもひと続き。ややグレイッシュなブラック色の華やかさも踏襲されている。それでいて、どこか抑えた大人の印象がある。たとえばボタンは、質感や細かい感触にまで心配りを感じるが、余計な装飾はいっさいない引き算のデザイン。この洗練された一体感は、かなり満足度が高い。

ホンダステップワゴンの場合は、周囲のインパネのデザインになじんでいるだけでなく、真ん中で全体のデザインを引き締め、牽引している風情がある。

 
 
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液晶画面の周囲をナビの部品が大きくカバーしているが、色だけでなく素材感までまったくといっていいほど同じ。ボタンの形状もオーナメント、パネルのカチッとしたイメージとぴったりとフィットして、同じナビシリーズでありながらセレナのモデルとは印象がかなり違う。

いずれも、丁寧に作られたナビデザインのフィット感が空間に落ち着きをもたらしている。それだけでなく、8V型大画面でのフリック&ドラッグなど操作性の良さもあり、ナビのデザインによってこんなにも室内環境が変わるものかと驚かされた。

このナビによって、進化したひとつの部屋を持つことになるのだと思った。