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車種専用デザイン…装着感で純正を越える 会田肇会田肇

 

考え抜かれたデザインで引き締まった

セレナ パナソニック ストラーダ L シリーズ イメージ

パナソニックのストラーダ「Lシリーズ」の『CN-L800SED』は、現行の日産『セレナ』に合わせた専用デザインとしているのが最大の特徴となっている。

車内での存在感は極めて大きく、ドアを開けるとセンターコンソールにインストールされたLシリーズが真っ先に目に飛び込んでくる。運転席に座るとその存在感はさらに増す。画面サイズが純正の7V型よりも二回りほど大きいことも理由であることは確かだが、その要因はその造り込みの巧さにあった。

 
セレナ パナソニック ストラーダ L シリーズ イメージ

カーナビを収める絶対スペースは、Lシリーズも純正カーナビも同じサイズだ。そんな中、デザイン性を高めるにはこのスペースをどう上手に活かすかが鍵となる。しかし、純正は画面サイズが7V型と面積比で二回りほど小さく、セレナのようなミニバンではどうしても隙間は出てしまいがち。そこで純正では操作キーを横長デザインとし、モニター左右には回転式ボリュームを配置するなどして、間延び感を少しでも抑えることにしているのだ。もちろん、これだけしか見ていなければ違和感は感じないままで済んでしまうだろう。

しかし、車種専用設計としたLシリーズはそこに鋭く切り込んだ。純正よりも二回りも大きい8V型モニターを中心に左右に操作スイッチを配置。各操作キーはシルバーで加飾されたパネルベース上に並べられ、よく使うスイッチを上方に配置するなど機能面に対する配慮も加えている。専用パネルはその下に配置されるエアコンのコントロールパネル周辺にまで及び、最下部には大型メタルオーナメントが貼り付けられる。取り付け後はエアコンのコントロールパネルとのつながりも上々で、純正で見られたデザイン上の間延び感は一切感じさせない。

 

純正の装着感と市販の高機能を両立

セレナ パナソニック ストラーダ L シリーズ イメージ セレナ パナソニック ストラーダ L シリーズ イメージ

Lシリーズが生み出した車種専用設計のメリットはそれだけにはとどまらない。イルミネーション色はセレナに合わせて調整され、取り付けに必要な情報もあらかじめ設定済み。一般的にDVD/CDを再生するディスクドライブを備えた本機のような機種では、取付角度は極めて重要な情報で、通常はあらかじめその角度を測ってから作業に取りかかる。本機は車種専用設計となっていることで、この情報を含め、車両のサイズなどもセレナに合わせてあらかじめ入力済み。これは取り付け時の作業効率アップにつながったりもする。

このオーディオ設定でも車種専用設計は活かされている。純正スピーカーと組み合わせても最適な音場で楽しめるようにディレイタイムをあらかじめ最適値に設定。ここまで来ると、もはや「Lシリーズ」は純正にも勝るとも劣らない仕上がりに達したと断言していいだろう。

また、見逃せないのがタッチパネル操作だ。通常のタッチパネル操作に加えて、スマートフォンなどでもお馴染みの指で払う“フリック操作”を採用し、大型化した画面サイズはその操作がとてもしやすい。モニターの視野角も広く、車内のどこからでも鮮明に見えるメリットも生み出している。従来よりパナソニックのカーナビは、使い勝手と視認性の高さで評価されていたが、画面サイズが8V型となったことでその評価はさらに高まったのは間違いない。

事実上、Lシリーズはストラーダのトップモデルだけに、その能力はきわめてハイレベルな位置づけだ。メニューからの入力は反応が極めて良好で、目的地設定からルート探索に至るまで操作はスムーズそのもの。測位精度も高く、ルート案内時は都市高速と一般道の高低差を自動認識するほか、一部の一般道でも動作。ドライバーが迷いそうな交差点や連続する交差点でもわかりやすいガイドが受けられる。その動作状況は使っていて安心感を感じさせるものと言えるだろう。

 
 
セレナ パナソニック ストラーダ L シリーズ イメージ セレナ パナソニック ストラーダ L シリーズ イメージ

なかでも見逃せないのが「ストラーダチューン」。ルートチューンでは有料道路や道幅、抜け道の3条件を任意にアレンジすることが可能となり、今まではカーナビ任せだったルート探索を、それぞれのこだわりを反映させられるのだ。その他、ルート案内中の音声案内を設定できるガイダンスチューン、64通りのもの多彩な地図から好みの地図が表示できるマップチューンが設定できる。さらに「ストラーダチューン」にはオーディオも含む。一つの画面上で好みのサウンドに設定できるもので、「音の匠」モードをはじめ、「SRS CS Auto DX」など様々なエフェクト、音質を自在に調整できるイコライザー、ポジションニング設定モードなど、その設定は多岐にわたる。しかも、これらは音を確かめながら設定できるあたりが素晴らしい。

新車を購入するとき、多くの人がカーナビを純正あるいは市販から二者択一を迫られる。今までなら、フィット感を重視するなら迷うことなく純正を勧めてきたものだが、このセレナ用Lシリーズに限ってはそんなアドバイスはまったく意味をなさない。むしろ、純正の装着感に市販の高機能を兼ね備えたLシリーズを自信を持って勧められるだろう。