
4代目 3 シリーズ(E46)は1998年に登場
1998年に登場した4代目の 3 シリーズ(E46)では徐々にサイズが大きくなってきたことを実感する。エンジン排気量が2リッターでも3ナンバーになったのは全幅が1700mmを越えたからだ。
2002年モデルの318iに搭載された直列4気筒エンジンにはバルブトロニックが初採用された。吸気管の中にあるスロットルバタフライがポンピングロスを生むから、これを取ってしまったのだ。シリンダーの中に入る空気量をコントロールしないと運転はできないが、それは吸入バルブのリフト量と開く時間をコントロールすることでアクセルペダルと連動させた。これがバルブトロニックの技術で、トヨタと日産が同様のシステムを搭載して発売するのはこのあと6年以上経ってからだ。
さすがにポンピングロスを減らすための機構だけあって、燃費の向上には目を見張るものがあった。あれから10年経って、バルブトロニックを採用したBMWエンジンは増々増えている。あのときすでにBMWは燃料消費を抑える技術を積極的に市販車に採用していたのである。
2005年に登場した5代目 3 シリーズ(E90)。写真は2008年のマイナーチェンジモデル
5代目の 3 シリーズ(E90)は2005年に登場した。アクティブ・ステアリングやiDriveを採用したほか、高精度ダイレクト・インジェクション・システムやブレーキ・エネルギー回生システムを搭載したモデルが導入されるなど、EfficientDynamicsが全面に押し出されるようになった。
全幅は1817mmとなったが、これはドイツ人の平均身長が年に1mmずつ伸びているそうで、7年ごとのモデルチェンジで7mm大きな人が同じように乗れることが条件だったから。また衝突安全性を確保する上でも全幅を広げることは必要だった。ただし2008年に行われた大きなマイナーチェンジでは、日本仕様の右ハンドル車だけ全幅を1800mmに変更した。ボディパネルはそのままだが、一番広いところに取り付けられたドアハンドルを薄くすることで1817mmを1800mmにしたのだ。これは機械式立体駐車場が多い日本の事情を配慮したもので、こんなところにも改良の手を惜しまないBMWらしさが表れていると感心した。
6代目 3 シリーズ(F30)
6代目の 3 シリーズ(F30)は予定通り2012年に登場した。EfficientDynamicsを全面に押し出したモデルでもある。全幅は1800mmで変わらないが、全長とホイールベースは伸びている。エンジンはターボチャージャー付きになったが、昔のターボとはまるで異なるフィーリングである。知らないで運転したら、ただ大きな排気量のエンジンと思うかもしれない。それほど自然な感覚でドライビングできるエンジンになった。また今では燃費を稼ごうと思ったらターボが必要な時代になったのだ。それでも328iは排気量2リッターながら3.5リッターエンジン以上の動力性能を発揮できる。これこそがEfficientDynamicsの真骨頂なのである。
今後の予定としては、アクティブハイブリッド 3というエンジンと電気モーターとリチウムイオン電池を組み合わせたハイブリッド車が登場してくるし、3 シリーズにもディーゼル・エンジン車が今年中に登場すると宣言されている。この6代目は、3 シリーズをまた大きく飛躍させるモデルになりそうだ。
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