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Part 2 Impression モータージャーナリスト 菰田 潔が語る
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エコドライブを推進するECO PROモード

イメージ電子シフトの横にはドライビング・パフォーマンス・コントロール用のスイッチが備えてある。ここでスポーツやコンフォートを選ぶことにより、アクセルレスポンスやATのプログラムを変更することができる。またECO PROモードを選べるモデルもあり、瞬間燃費計がガラッとECO PRO仕様に変わって、燃料節約モードでのアクセルペダルの踏み込み限度を教えてくれる。そしてエアコンの作動もエコになる。こうした運転で儲かった分の走行距離を青字で表示するのも、ドライバーの励みになるおもしろいアイディアだ。ECO PROモードで走っても充分以上に速いからストレスはない。

外観は旧 3 シリーズより幅広く見えるようになった新型ではあるが、実際の横幅は1800mmで変わらない。運転してみれば、さらに軽快になったハンドリング性能がBMWのクルマ創りの哲学でもある「駆けぬける歓び」そのものであることが判るだろう。

 

快適性も格段に向上

イメージF30と呼ばれるニュー BMW 3 シリーズであるが、走りの性能が良くなっただけでなく、乗員の快適性も格段に向上した。不整路面を通過するときのまろやかな感触と静かさは、これまでの 3 シリーズとは桁が違うと言って良いだろう。このように乗り心地が良くなったことには理由がある。まず従来のサスペンションはダンパーとバネを一体にしてボディに取り付けていたのに対し、新型のサスペンションはダンパーとバネのボディに対する入力を分離したのだ。これによって乗り心地だけでなく、遮音性も向上している。もうひとつの理由はランフラットタイヤの改良により、タイヤのために乗り心地が悪化しなくなった。これまではサイドウォールが普通のタイヤの15%増しの硬さだったが、最新のランフラットタイヤは研究開発の結果、それが5%増し程度に収まるようになり、タイヤが硬いことはほとんど感じ取れないレベルまで到達している。

BMWはランフラットタイヤの採用に積極的だが、これも地球環境に優しいことなのだ。使われないで捨てられるスペアタイヤはもったいないし、8年に一回と言われるパンクの体験は、その間スペアタイヤの重量と空間を無駄に運んでいることになるからだ。

 

無駄なアイドリングをしない

イメージクルマを止めて降りるときにもニュー BMW 3 シリーズのEfficientDynamicsを感じることができる。それは電子シフトにより、クルマを止めたらすぐにエンジン・スタート/ストップボタンを押せばいい、という点に表れている。エンジンが止まるのはもちろんだが、ATは自動的にPレンジに入る。ここが電子シフトのメリットで、数秒でも無駄にアイドリングをしなくても済むようにデザインされているのだ。

またエンジン・スタート/ストップボタンを押してエンジンを止めても、エアコンとヘッドライト以外の電装品は可動状態にある。ウインカー、ワイパー、ハザードランプ、オーディオ、パワーウインドウ、ミラー、シート、そしてナビを含めたiDriveも操作できる。燃料を入れるためにスタンドに入ってエンジンを止めたら、オーディオもオフになるクルマは多い。でもBMWなら音楽を聴いていた助手席からクレームが付くこともないし、ナビの目的地設定だってできる。エンジンを止めてからでもできることがたくさんあれば、ドライバーはこまめにエンジンを止めるようになるわけで、これも無駄に燃料を使わないためのBMWらしい電装品のデザインなのである。