新型 3 シリーズの核心とも言える部分が、320iと328iに搭載された2リッター直列4気筒「BMWツインパワー・ターボ・エンジン」だ。この新世代エンジンはツインスクロール・ターボ・チャージャー、高精度ダイレクト・インジェクション・システム（筒内直接噴射）、ダブルVANOS（吸排気可変バルブ・タイミング）、そしてバルブトロニック（無段階可変バルブ・リフト）といった、現在ガソリンエンジンで採用可能な最高のテクノロジーを組み合わせたBMWツインパワー・ターボ・テクノロジーを採用したもの。最高出力は320iで135kW（184ps）/5000rpm、328iでは180kW（245ps）/5000rpmとなり、胸のすくパワーフィールを実現。また最大トルクは320iで270Nm（27.5kgm）/1250-4500rpm、328iでは350Nm（35.7kgm）/1250-4800rpmと従来の直列6気筒・自然吸気エンジンを大幅に上回る数値を実現している。いずれも1250回転という低回転から最大トルクを発生するのがポイントだ。

また最新の環境技術はエンジンだけに留まらない。このクラスで最も多段となる高効率の8速AT、無駄な燃料消費を防ぐエンジン・オート・スタート/ストップ機能（アイドリング・ストップ機能）、ブレーキ・エネルギー回生システム、電動パワー・ステアリング等、現在ガソリンエンジンで考えられる低燃費技術をフルスペックで採用。さらに走行モードの切り替えが可能なドライビング・パフォーマンス・コントロールには、燃費の良い走行スタイルをサポートするECO PRO（エコ・プロ）モードを設定。これによって、エンジン・レスポンスやシフト・タイミングが最適化されるほか、エア・コンディショナー等も効率的に制御され、燃料の消費量を抑制する。また燃費情報をコントロール・ディスプレイやメーター・パネル内に表示し、エコドライブを積極的に楽しめる工夫も行われている。

これらの結果、JC08モード燃費は、320iの8速AT車で16.4～16.6km/リッター、6速MT車で16.0km/リッター、328i（全車8速AT）で15.2km/リッターを達成。このクラスのガソリンエンジン車としてはトップクラスの燃費性能を実現している。しかも新型 3 シリーズの全モデルがエコカー減税および補助金対象モデルという事実は、「走りの良さと燃費は両立しない」という既成概念を覆すものだと言えるだろう。