EV PHEV
注目の集まるEV/PHEV。
EV/PHEVの基礎知識から各社の車種ラインアップまでご紹介します。EV/PHEVの今後についてや、EV/PHEVのメリット・デメリット、充電にかかる時間や料金/電気代、航続距離など気になる情報をまとめました。
EV/PHEVの今後を予測
自動車産業はいま、「100年に1度の大変革期」にあると言われている。これには自動車の急速な電動化の影響が大きく、とりわけ電気自動車(EV)へのシフトは待ったなしの状況だ。これまで100年以上にわたり、ガソリンまたは軽油を燃料として走っていた自動車は徐々に少なくなっていき、電気をエネルギー源としてモーターを駆動するEVが主役に取って代わろうとしている。
「日産アリア」 B6(66kWh、2WD)すでにその流れは世界的に広がっており、EUでは2035年以降、排出ガスを出すクルマを発売することができないという新環境規制を発表している。つまり、2035年以降発売することができるのは電気自動車と燃料電池車(FCEV)のみで、ガソリン車とディーゼル車はもちろん、ハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)も発売できないということを意味する。
また日本でも、たとえばホンダは「2030年までに新車販売の5割EVに、2040年までに新車販売のすべてをEVとFCEVにする」、さらにトヨタ自動車も、「2030年までに30車種のバッテリーEVを展開し、フルラインでバッテリーEVを揃えていく」と2021年12月に発表している。
電気自動車(EV)/PHEVとは
「Honda e」EVとは「Electric Vehicle(エレクトリックビークル)」の略で、動力はガソリンエンジンなどの内燃機関ではなく、バッテリーに蓄えられた電気を使ってモーターを駆動する。走行中にCO2を排出しないので、クリーンで環境負荷がない。バッテリーは主にリチウムイオン電池が使われ、その容量によって走れる距離(=航続距離)が変わる。EVは、一般的に航続距離が短く長距離運転に向かないことや、充電施設の数が少ないなどの課題がある。
EVの課題を補完してくれるクルマがプラグインハイブリッド車(PHEV)だ。PHEVはモーターのほかにジェネレーター(発電機)となるエンジンを搭載しており、基本の走行はEVとして走り、バッテリーの充電量が少なくなると組み合わせた発電用(一部駆動用)のエンジンでジェネレーターを回して発電し、ハイブリッド走行をおこなうことで航続距離を伸ばすことができる。また、充電スタンドなど外部電源を利用して充電できるのが特長で、電気とガソリンを二刀流で使うことができるのが強みだ。
EV/PHEVのメリット
「日産リーフ」EV/PHEVの主なメリット
01EV/PHEVは排出ガスが出ない(少ない)
EVはバッテリーにためられた電気を使ってモーターを駆動してクルマを動かしているため、ガソリン車のようにガソリンを燃やして排気ガスやCO2を出さない。車両単体で見れば環境に対しクリーンでエコな乗り物といえる。
また、PHEVはバッテリーの充電状態が良いときには電気を使ってモーターのみで走行する。バッテリーがなくなってからも、ハイブリッド車としてエンジンとモーターを併用して走ることができるので、トータルとして燃費が良く環境性能に優れている。
ただし、EVが環境に与える影響として重要なのは、車両単体で見ればクリーンでエコでも、EVに供給する電気を石油や石炭による火力発電などでまかなっていては本末転倒になってしまうということ。国のエネルギー政策を太陽光発電などの再生可能エネルギーにシフトしていくこともセットで考えていく必要がある。
02EV/PHEVは加速がスムーズで気持ちいい
EV/PHEVはモーターの特性によって、アクセルを踏みこんだ瞬間にトルクが立ち上がるために、加速性能に優れているメリットがある。ガソリン車は回転数が上がるにつれてパワーを増していく特性のため、その運転感覚は大きく異なる。また、ガソリン車に比べてアクセルの踏み込みに対する応答遅れも少ないので、ドライバーは思い通りの加速を得ることができる。
03EV/PHEVは振動が少なく、静粛性が高い
ガソリン車、ディーゼル車はエンジンの振動や騒音がどうしても出てしまうが、EV/PHEVはモーターの特性で振動や騒音が少ない。そのためむしろタイヤが発するロードノイズや風切り音の方が気になるほど。最新のEV/PHEVには、このあたりの遮音性にもこだわったモデルが登場してきている。
04EV/PHEVは重心高が低く、操縦性に好影響を与える
EV/PHEVはバッテリーを車体の中央床下に搭載する場合がほとんど。このクルマを構成する部品の中でも重量があるバッテリーを車両の中心近くの下の方に収めることで、ガソリン車と比べると重心高が低くなり、S字コーナーの切り返しなどで安定してコーナーをクリアすることができる。
05ガソリン代より電気代の方が安い
EVなら、同じ距離を走らせたときに電気代が安いメリットがある。たとえば、同じ車種にガソリン車とEVを設定するプジョーの208とe-208を走らせたときのコストを比べてみることにしよう。話をわかりやすくするために、e-208の一充電走行距離(WLTCモード)である380kmを走ることとする。
<条件>
ガソリンは1リットルで150円、ガソリン車のWLTCモード燃費は17.9km/リットル、電気は1kWhで30円、EVの一充電走行距離(WLTCモード燃費)は380km、総電力量は50kWhとする。
208(ガソリン車) | 380÷17.9×150=3184円 |
---|---|
e-208 | 30×50=1500円 |
380km走ったときの、208のガソリン代が3184円、e-208の電気代が1500円ということで、EVの方がほぼ半額で走れるということになる。つまりEVの方が経済性が高い(=おサイフに優しい)ということになる。
06EV/PHEVなら減税、補助金が受けられる
EV/PHEVを購入するときには、エコカー減税や自動車税の減税を受けられるほか、国や自治体から補助金をもらうことができる。
例)日産リーフe+ G(車両価格499万8400円)を東京都で購入する場合
- エコカー減税3万円+自動車税減税1万8500円=4万8500円
- 国の補助金:42万円 ※令和3年度CEV補助⾦
- 自治体の補助金:45万円 ※東京都の場合
- 合計:87万円
車両価格は499万8400円と同クラスのモデルに比べて比較的高価格だが、減税と補助金の合計が87万円ということで、優遇措置を生かせばリーフe+ Gは412万8400円で購入することができる。
07EVは災害時やアウトドアでの蓄電池として利用できる
EVは大容量のバッテリーを搭載しているため、災害時だけでなく平常時も蓄電池として利用することができる。
たとえば日産リーフe+(64kWh)なら、一般家庭で4日間の電気をまかなうことができる。
また、キャンプなどのアウトドアでの電力使用が可能で、これまでには思いつかなかった場所でEVを蓄電池として利用することができる。
08PHEVは航続距離が長い
PHEVはバッテリーの電気がなくなってもガソリンで走ることができる。たとえば三菱アウトランダーPHEV Mグレードの場合で見てみると、バッテリー容量は20kWhで電気だけで走れる距離は87kmだが、ガソリンではWLTCモード燃費16.6km/リットル×燃費タンク容量56リットル=929.6kmも走ることができ、トータルの航続距離は87+929.6=1016.6kmと圧倒的に長いのだ。
EV/PHEVのデメリット
EV/PHEVのデメリット
01航続距離がガソリン車に比べて短い(EV)
「航続距離」とは無給油(無給電)で走ることのできる距離のこと。EVの場合は「一充電走行距離」と同じ意味となる。EVはガソリン車に比べて航続距離が短い。
これも先ほどのプジョー208とe-208を例に見てみることにしよう。
208(ガソリン車)の航続距離 | 17.9×44=787.6km WLTCモード燃費:17.9km/リットル 燃料タンク容量:44リットル |
---|---|
e-208(EV)の航続距離 (WLTCモード一充電走行距離) |
380km |
この例を見てもわかるように、ガソリン車の方がEVより2倍以上走れることになる。最近ではテスラのモデルSのように、652kmの航続距離(推定)というロングランができるクルマも出てきているが、まだまだ高価格で少数派だ。
02EVは充電に時間がかかる
ガソリン車ならタンクが空の状態からでも数分で満タンまで給油することができるが、EVではそうはいかない。このあと説明する急速充電器を使っても、充電器の性能にもよるが30分間で80%を充電するのが精一杯で、それなりの待ち時間が発生する。
道の駅やサービスエリアなどでは、カフェでお茶したり買い物をしながら時間を潰すということができるが、長距離を走る場合はしっかりと計画してから出かけないと、時間どおりに目的地に着けないことがあるので注意が必要だ。
また、普通充電器の場合は満充電にするまでに一般的に8〜12時間と、もっと時間がかかる。
03EV/PHEV用の充電スタンドが少ない
EV用の充電スタンドの登録拠点数は、急速充電器で4,995、普通充電器で1万1,049(マイカー管理サービスe燃費調べ、2022年2月9日時点)と、ここ数年で拡大してきた。しかし、まだまだガソリンスタンド(給油所)の2万9005(経済産業省 資源エネルギー庁調べ、2021年3月31日時点)には及んでいない。
自宅での充電ができるのがEV/PHEVのメリットだが、遠出した際の充電や万が一の電欠のことを考えると不安に感じる人がいるのは事実だ。また、【02】のように充電に時間がかかるということは、充電スタンドでの充電渋滞が起こる可能性も高いということで、まだ利便性が高いとは言えない。
04EV/PHEVは車両価格が高い
メリットのところでは「減税、補助金が受けられる」と書いたが、それでもEVはガソリン車に比べて車両価格が高い。
これもプジョー208(ガソリン車)とe-208(EV)を例に見てみることにしよう。
プジョー 208 GT車両価格 | 316万1000円 |
---|---|
プジョー e-208 GT 車両価格 | 450万3000円 |
e-208の補助金 | 78万6000円(国からの補助金33万6000円+地方自治体からの補助金45万円 | )
e-208の車両価格から補助金を引いた金額 | 450万3000円―78万6000円=371万7000円 |
ということで、プジョー208とe-208の場合、EVの方がガソリン車より補助金を差し引いても55万6000円高いことになる。減税を考慮すればその差はもう少し縮まるが、ガソリン車と比べると現状では高価格であることは否めない。
また、PHEVもガソリン車より複雑なメカニズムと高価なバッテリーを搭載しているために、どうしても車両価格が割高になってしまう。
05EV/PHEVは自宅に充電設備が必要
一戸建ての場合でも、駐車場の近くに充電設備が必要になる。設置には製品代と工事費を合わせて10万円前後かかるので、初期コストが発生する。また、マンションなどでは充電設備が設置できないこともあるので、近所や生活圏内に充電スタンドがあるかを確認しておく必要がある。
EV/PHEVの充電
マツダ「MX-30 EV MODEL」 EV Highest set(ハイエスト セット) 2WDEV/PHEVの充電スタンド
EV/PHEVの充電スタンドには、普通充電器と急速充電器の2つのタイプがある。設備の費用負担が少ないために普通充電器の数が多いが、急速充電器は移動の途中での充電に適しており、今後、EV/PHEVを普及させていくためには、急速充電器の拡充が必要となる。
日本では急速充電器の規格はCHAdeMOが一般的に使われているが、ポルシェのターボチャージャー、テスラのスーパーチャージャーなど、より最大出力の大きな独自の充電規格も登場している。ちなみに一部のPHEVには、普通充電器のみ対応するモデルもあるので注意が必要。
EVの充電時間
普通充電器は単走の交流100Vもしくは200Vのコンセントを使用する。一般的に満充電までにする時間は8〜12時間ほどかかるので、時間の余裕が必須。ちなみに充電量は出力×時間なので、200Vの方が100Vとくらべておよそ半分の時間で済むことになる。
一方、急速充電器は電源に3相の交流200Vを使用する。普通充電器の出力は一般的に3〜6kW、急速充電器は古いものでは20kW程度だが、今では50kWが主流になっている。ちなみにテスラ専用のスーパーチャージャーは250kWという超大容量となる。急速充電器の充電時間は1回30分が基本となり、およそバッテリーの80%までの充電をおこなうことができる。80%に達しない場合はいわゆる「追い充電」も可能だが、混雑時は1回充電がマナーだ。
EV/PHEVの料金/電気代(出先/自宅)
出先で公共のEV/PHEV用充電器を利用するには、多くの場合「充電カード」による認証が必要となる。充電カードはEV/PHEVを販売する自動車メーカーが発行するものもあるが、現在では「e-Mobility Power(以下、eMP)カード」の利便性が高い。eMPは充電インフラを整備・拡充する会社で、公共の充電器のほとんどをネットワークしている。
利用料金はカードによってまちまちだが、月会費が500〜6000円前後、これに都度利用した分だけ、事前に登録したクレジットカードから引き落とされる。
では、EV/PHEVを自宅で充電する場合の電気代はいくらぐらいなのだろうか?
電気代は基本料金+電力量料金が基本だが、会社や契約プランによってまちまち。さらに充電を日中にするか夜間にするかでも違ってくるが、わかりやすく言うと、1kWhで日中※なら30円前後、夜間※ならだいたい20円前後が一般的な相場となる。
たとえばホンダ e(総電力量35.5kWh)と日産リーフ(総電力量62kWh)を満充電にするといくらかかるのか試算してみた。
ホンダe | 日中:30×35.5=1065円 | 夜間:20×35.5=710円 |
---|---|---|
日産リーフ | 日中:30×62=1860円 | 夜間:20×62=1240円 |
夜間電力をうまく利用しながら充電すれば、車両価格の高さをカバーすることもできそうだ。
EV/PHEVの航続距離
TOYOTA「RAV4 PHV BLACK TONE」すでにEVでは「デメリット」、PHEVでは「メリット」のところでも紹介したが、ここではもう少し具体的にどの車種がどのぐらいの航続距離(WLTCモード)なのかを見てみることにしよう。
EVの航続距離
EV各車の航続距離の例は以下の通り。
マツダ | MX-30:256km(35.5kWh) |
---|---|
ホンダ | e:283km(35.5kWh) |
レクサス | UX300e:367km(54.4kWh) |
プジョー | e-208:380km(50kWh) |
ポルシェ | タイカン:354km(79.2kWh) |
EVでは搭載されるバッテリーの容量(総電力量)によって航続距離が大きく変わる。また、バッテリーは重く、車重に大きく影響するためマツダ MX-30とホンダ eは35.5Whと同じバッテリー容量だが、車両重量が軽いホンダeの航続距離は283kmと、MX-30よりも27km長い。
また、ポルシェ タイカンは79.2kWhと大容量のバッテリーを搭載しているが、最高出力が240kW(326ps)とハイパワーなため、航続距離は354kmと意外にも短い。これはポルシェに求められるスポーティな走りを実現するため、出力を優先させた結果と見ていいだろう。このように航続距離は、総電力量、車両重量、出力などで決まってくるのだ。
PHEVの航続距離
PHEVのメリットの項で紹介したが、EVと違い、ガソリンエンジンでも走ることができるPHEVは航続距離が長い。PHEVの場合、ハイブリッド走行を含めた航続距離を公表しているメーカーは少ないが、便宜的に以下の計算式で航続距離を出してみた。
EV走行換算距離(等価EVレンジ・km)+ハイブリッド燃費(WLTCモード・km/リットル)×燃料タンク容量(リットル)
RAV4 PHV | 95+22.2×55=1316km |
---|---|
メルセデスベンツ A 250 e セダン | 72.1+16.3×35=642.6km |
ボルボ XC40 リチャージ | 41+14.0×48=713km |
EV/PHEVに関する補助金
ボルボ「C40」EV/PHEVは車両価格が一般的に高めだが、国と自治体から補助金(令和3年度CEV補助金)が受けられるというメリットがある。車種ごと、グレードごとに、「次世代自動車振興センター」のホームページに掲載されているので、EV/PHEVの購入を考えている人はチェックしてほしい。
次世代自動車振興センターEV/PHEVの車種ラインアップ
「The BMW iX xDrive40.」EVの車種ラインアップ
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コンパクトクラスのEVとしては、国産モデルのホンダeと日産リーフ、輸入モデルのプジョーe-208が代表的だ。
ホンダeはモダンで親しみやすいシンプルなデザインの都市型コミューターで4人乗りとなる。最大の特徴はリアにモーターを搭載したRR(リアモーター・リア駆動)であること。また、インテリアでは5スクリーンを水平配置した世界初のワイドビジョンインストルメントパネルを採用し、先進性をアピールしている。バッテリーの総電力量は35.5kWhで航続距離は283kmとなる。
日産リーフは初代が量販世界初のEVとして2010年に登場しており、現行型は2017年にフルモデルチェンジした2代目。5人乗りの5ドアハッチバックで、標準モデルは40kWhで322kmの航続距離だが、62kWhバッテリー搭載モデルは458kmと、このクラスでは最長のロングドライブが可能だ。
プジョーのe-208はガソリン車の208とボディ、シャシーを共用しているのが特徴。ガソリン車と比較しても居住空間など室内スペースが変わらず、使い勝手に優れている。50kWhのバッテリーを搭載しており、航続距離は380kmとなる。
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SUVは車高の高さからパッケージングの自由度が広く、EVとの親和性が高いため、多くのモデルをラインナップしている。
コンパクトクラスでは、マツダ初の量産EVとなるMX-30が代表選手。マツダとしてはRX-8以来となる観音開きタイプのフリースタイルドアを採用し、スタイリッシュなデザインと使い勝手をうまく融合させている。バッテリーは35.5kWhで、航続距離は256kmとなる。
もう1台はレクサスのUX300eで、こちらもレクサス初の量産EVとなる。UXが持ち味とする個性的なデザインや、高い利便性、取り回しやすさはそのままに、レクサスならではの上質な走りと優れた静粛性を追求している。54.4kWhのバッテリー容量を持ち、367kmの航続距離を実現している。
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アウディは2026年以降に発売する新型車をEVのみにすると発表しており、EVで覇権を取りに行く構えだ。同車はEVモデルに「e-tron(イートロン)」というブランド名を付けており、日本ではコンパクトSUVのQ4 e-tron & Q4 スポーツバック e-tron(発売は2022年秋以降の予定)、ラージSUVのe-tron & e-tron スポーツバック、ラージセダンのe-tron GT & RS e-tron GTと3車系6モデルをラインナップする。いずれも高出力モーター&大容量バッテリーを搭載しており、アウディらしいダイナミックな走りを実現している。
そしてアウディと同じフォルクスワーゲングループに属するポルシェは、2020年からe-tron GTの兄弟モデルとなるタイカンを日本で発売している。タイカンの最上級グレードのターボSは最高出力750hp(約760ps)、総電力量93.4kWhというハイスペックを誇る。e-tron GTよりもさらに高性能に振っており、タイカンがスポーツカー、e-tron GTはグランツーリスモというように性格を分けている。
テスラはEVのみに特化した自動車メーカーで、なかでもコンパクトセダンのモデル3が世界的に売れている。その人気の秘密は、0-100km/h加速3.3秒という圧倒的なパフォーマンスと565kmという長い航続距離、そして479万円〜というリーズナブルな価格設定だ。
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そのほかにも輸入ブランドのSUVは群雄割拠の状態で、2018年にいち早く日本に導入したメルセデスベンツ(EQ) EQCとジャガー I-PACE(アイペイス)は全長がそれぞれ4770/4695mmということで、どちらもアッパーミドルクラスに属する。どちらも400psを超える高出力モーターを搭載し、航続距離も430km以上としており、パフォーマンスは互角と言える。
そして2021年11月には、BMWから満を持してiXとiX3という2台のEVのSUVが同時に日本発売された。iX3は全長が4740mmでEQCとI-PACEと同じアッパーミドルクラスに属するが、iXは全長が4955mmとe-tronと同じラージクラスとなる。車名のとおりX3をベースにした1モーターのEVで、FR(フロントモーター・リア駆動)となるが、iXは専用のプラットフォームを採用した2モーターの4WDとなる。
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PHEVも車種カテゴリーとしては、EVと同様にバッテリーを搭載する必要性からパッケージングの自由度が高いSUVが圧倒的に多い。
RAV4 PHVとアウトランダーPHEVは、どちらもアッパーミドルクラスのSUVでまさにガチンコのライバル関係にある。アウトランダーPHEVは急速充電に対応しているが、RAV4 PHVは普通充電のみとなる。最高出力ではシステム出力306psのRAV4 PHVに軍配が上がるが、アウトランダーPHEVは三菱が誇る電動4WD技術による高い走破性、そして3列シート7人乗りという武器を持っている。
この2台とサイズ的にはほぼ互角ながら、レクサスと独自のプレミアム性を打ち出したSUVがNX450h+だ。RAV4 PHVと共通のメカニズムを搭載するが、NX450h+の方がレクサスらしい質感の高さを演出している。
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輸入ブランドでは、前の3車よりもサイズがひと回り小さいコンパクトからミディアムクラスのSUVが揃っている。
ジープ初のPHEVレネゲードは、ジープならではのアイコニックなデザインと、全長4255mmという手頃なサイズ感が特徴。
洗練されたデザインが人気のプジョー3008にも、GT ハイブリッド4というPHEVモデルを設定。こちらはシステム出力が300psと、その見た目からは想像できないほどのパワーを秘めている。
ボルボは、XC40、XC60、XC90という3モデルにリチャージ プラグインハイブリッドというPHEVを設定。全長4425mmと最もコンパクトなXC40は、FFのみの設定で、41kmのEV走行が可能となる。
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ラージSUVのポルシェ カイエンはシステム出力462psを発生するEハイブリッドと、同680psを発生するターボS E-ハイブリッドを設定。そしてこのどちらにもクーペタイプもラインナップしている。とくにターボS E-ハイブリッドの走りはSUVでもポルシェらしさを感じさせる躍動的で刺激的なものだ。
ランドローバーのレンジローバーにもPHEVモデルを設定する。3リットル直6+モーターを搭載し410psのP410eと510psのP510eという2モデルをラインアップ。その優れたオフロード性能がもたらす機動性の高さは折り紙付きで、オフロードも安心感のある走りを披露する。
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トヨタのプリウスPHVは、現行型が2代目。プリウスとは異なるデザインを採用し、先進的なイメージを醸し出している。60kmのEV走行が可能で、急速充電にも対応しているので、ガソリンを使わずよりアクティブに行動することができる。
メルセデスベンツはコンパクトカーのAクラスに、A250eとA250セダンというPHEVを受注生産モデルとして設定している。1.3リットルターボエンジンは160ps/250Nmだが、これにモーターの72kW(102ps)/300Nmを掛け合わせ、見た目の印象からは想像出来ない加速を見せる。
BMWもPHEVのラインナップを拡大しているが、ミディアムクラスセダンの3シリーズには330eというPHEVを設定している。2リットル直4ターボにモーターを組み合わせ、最高出力は215kW(約292ps)というハイスペックを誇る。その走りは爽快で、BMWが提唱する駆け抜ける歓びを感じられるPHEVに仕上がっている。
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