メルセデス Cクラス Laureus Edition Report:河口まなぶ | レスポンス(Response.jp)

いつの時代もCクラスがベンチマークであり続ける

“Cクラス通”をもうならせる「ローレウス エディション」

登場からはや3年目を迎えたメルセデス・ベンツ『Cクラス』。今回触れてみて、改めてCクラスの魅力とともに、このモデルが完熟の域に達していると感じた。

今回のCクラスに触れたわけは、新たに設定された特別仕様車、「ローレウス エディション」が登場したから。
スポーツの力で世界をより良いものへ変えていく目的を掲げて設立されたローレウス・スポーツ財団とのリレーションから誕生したこのモデルを、都内から木更津へ向けてドライブしてみて、その魅力を探ってみたわけだ。
実は僕・河口まなぶはこれまで、初代Cクラス W 202を愛車にして以降、203、204、205と各モデルを所有してきた。特に204と205は2台ずつ乗り継いだほどで、現在はCクラスの派生車種である『GLC』を愛車としている。
そんな“Cクラス通”でもある僕がまず感心したのは、冒頭に記した通り熟成を感じさせる乗り味走り味。ローレウス エディションでは、メカニズムにおける変更等は特にないわけだが、W 205 Cクラスを常にウォッチしてる僕としては、すぐに初期モデルとは違うフィーリングに気がついた。

登場から3年を経てたどり着いた走りの領域

今回試乗したローレウス エディションは、C 180をベースとしたモデル。搭載エンジンは1.6Lの直列4気筒直噴ターボで最高出力は156PS/5300rpm、最大トルクは250N・m/1200-4000rpmとなる。組み合わせられるトランスミッションは、以前は7速ATの7G-TRONICだったが、現在では9速ATの9G-TRONICへと進化を果たした。

初期モデルと違うとまず感じたのはこの9G-TRONICの搭載によるドライブトレーンのフィーリング。以前よりギアの段数が増えたことで、変速がより滑らかに感じられる。また同時に高速道路などではより高いギアが使えることで、エンジン回転数は低く抑えられるので静粛性にも寄与するし、燃費の良さにも貢献する。六本木から首都高にアクセスして、レインボーブリッジを通過するルートでは実に滑らかなドライブトレーンが印象的だった。

さらに走らせていると感じるのは、サスペンションの成熟した感覚。ローレウス エディションでは機械式のサスペンションを装着しており、組み合わせられるタイヤ&ホイールはAMGラインの18インチサイズとなるわけだが、とても爽やかな乗り味走り味を生み出している。機械式サスペンションならではの程よい張りがあり、高速道路などではフラットな感覚を保ちながら路面をしっかり捉える。つまりスポーティーさと乗り心地の良さが程良くバランスしている。そして高速をおりて郊外路を走る際も、歯切れの良い感覚が得られて清々しさを覚える。

また、1.6Lエンジンはハンドル操作をした際に、とても軽やかな鼻先の動きを感じさせてくれて、街中では軽快な感覚を、ワインディングなどではシャープな回頭性を伝えるのだ。それだけにこのクラスのセダンとしては、実に理想的なスポーティなハンドリングと、落ち着いた乗り心地を両立していると評価できる。この辺りは登場から3年を経てたどり着いた領域と言えるだろう。郊外のワインディングめいた道路では、ドライバーの思いのままに動いてくれる様が実に気持ち良かった。

必要なオプションはすべて標準装備されている

しかしローレウス エディション最大の魅力は、その装備の豊富さにある。まず、注目したいのは内外装ともに「AMGライン」が採用されること。エクステリアでは、AMGラインならではのフロントスポイラーとリアスカートが与えられるほか、18インチサイズの5スポークアルミホイールが備わる。さらにインテリアでは、AMGスポーツステアリングをはじめとして、ステンレスペダルやレザーARTICOシートが用意されている。

そして他には、「ベーシックパッケージ」が標準装備されるため、駐車時に便利なパークトロニックやパーキングパイロット、キーを持っていればドアの開閉がタッチで可能でエンジンスタートもボタンワンプッシュでOKなキーレスゴー、さらにはプライバシーガラスやシートヒーターも備える。

つまり、ローレウス エディションというのは、Cクラスを実際に購入しようとした際に、様々に用意されるオプション群の中でも人気のオプションが全て標準装備されているモデル。だから、ローレウス エディションを選べばオプションで選ぶものはほぼない、ということを意味しているのである。

いつの時代もCクラスがベンチマークであり続ける

そして気になる価格は、今回試乗した「C 180 ローレウス エディション」で498万円と、実に500万円を切るという、コストパフォーマンスに優れた一台となっている。またローレウス エディションはこの他に、C 180 ステーションワゴンや、C 220dのセダンとステーションワゴンと、全4モデルが用意されている。

先に記したように、今回C 180 ローレウス エディションに実際に乗ってみて、僕は改めてこのCクラスというモデルの、走りの良さやデザインの質や作り込みの丁寧さ、そして安全装備の充実ぶりなどを含めて、高い商品性を持つプロダクトであることを痛感した。そしていつの時代もCクラスが、このクラスのベンチマークとなっていることに納得がいった。

そんなCクラスだからこそ、今回設定されたローレウス エディションならではの魅力的な装備とその価格にはインパクトがある。

だから「こんなCクラスは、二度とない」というローレウス エディションのキャッチコピーを見ると、なるほど深く頷けるのだ。

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河口まなぶ

自動車ジャーナリスト

1970年5月9日茨城県生まれAB型。当初から一貫して“自動車の楽しさ気持ち良さ”を追求し続け活動を行う。雑誌、web、TV、新聞のみならず、ユーザーと直接対話するイベントも開催している。自身のブログ「まなブログforみんカラ」は月10~20万アクセスを記録する人気ブログ。また自身の動画サイト「Manavideo」チャンネルをyoutubeにて展開中。Twitterをベースにしたweb上の自動車部であるLOVECARS!も主宰。