北米ではハリアー・ハイブリッド改め、レクサスRX400hの評判がいい。高級SUVセグメントでは、クラストップの加速を誇り、登場した2004年には、同セグメントでの受注がもっとも多かった。
乗っての印象で挙げられる点は、何よりも乗り心地のよさ。また低中速トルクの力強さは追い越しや合流時にありがたい。
あの3.3リットルのV6ハイブリッドは268hpを叩き出しているけれど、性能的にはこれで十二分のパワーだ。確かに、ハイブリッドのおかげもあって、溢れるほどの高出力ぶりを実現しているいっぽう、燃費は期待するほどよくはない。満タンで500km走行がこなせるかどうかというレベルだ。ハイブリッドの特徴を燃費ではなく、パワーのほうに回そうとすると、せっかくの意味が薄くなる感じがする。 |
 |
ベースのハリアーよりは130kg以上重いので、ロール量は大きく感じた。やはり、オプションのより硬めのスポーツサスが欲しいところだ。また、回生ブレーキの効率が高まる長い下り坂では、ブレーキ自体も負担になって多少ブレーキフェード気味の兆候ものぞかせる。
インテリアはレクサス同等の作り込みだから、質感としては申し分ないところ。今後、ぜひ採用してほしいのは、ガス欠まで後何km走れるという可能走行距離のメーターかな。それに、これはハイブリッド車だからこそ、ベースモデルのガソリン車との明確な差別化ができるカッコいい工夫を考えていただきたい。
|
 |
 |
 |
|
 |
ピーター・ライオン|モータージャーナリスト/コラムニスト
60年豪州生まれ。88年から東京を拠点に自動車評論活動を始める。現在、米・英・独・伊・豪・日本など10カ国の有力誌に寄稿。(日本)COTY、(米)『カー&ドライバー』誌「10ベスト賞」、ワールドCOTY賞、国際エンジン賞、各選考委員を務めている。
|
|
|