THS ニッポンの自動車ジャーナリストが語るトヨタハイブリッドカーへの想い
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オーナーの期待値を越える価値を想像していく使命感 < TOP  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11  NEXT >
初代エスティマ・ハイブリッド 独創的なアンダーフロア・ミッドシップレイアウトの採用で自ら“天才タマゴ”を謳った初代モデルから一変、平凡なFFレイアウトを採用してデビューしたのが2代目のエスティマ・シリーズ。そんな2代目エスティマをベースにハイブリッド・システムを搭載したのが、「世界初のハイブリッド・ミニバン」となった2001年に登場のエスティマ・ハイブリッドだ。すなわちこのモデルは、ベースとなるエスティマがFFレイアウトへと“趣旨替え”をしたからこそ、世に生を受けることができたとも見られるわけだ。

リビングルームのように広いキャビン空間と、毎週末の渋滞の中でも退屈しない豪華なAVシステムなどが受けて、すでに当時から「新時代の日本のファミリーカー」としての位置づけが定着していたのが3列シートを備えるミニバン。が、大きく・重く・広くなったという事実はいずれも燃費に対してはマイナス方向に作用する。そんなこの種のクルマのウイークポイントに対する“特効薬”が発売されたのだから、当時の注目度は高かった。
後輪を電気モーター駆動とした4WDシステムによる踏破性の高さはもとより、こうしたモデルであるからこそ嬉しい装備とやはり注目を浴びたのが、理論上は家庭用エアコンの運転さえ可能とする容量を備えたAC100Vの電源。もちろん、バッテリーがじゅうぶんな容量を持つ間はエンジンを始動することなくそんな電力を使えるというのも、エポックメーキングな出来事だった。

こうして初めて世に出たエスティマ・ハイブリッドは、初代プリウス以上に“未来の自動車”を実感させてくれることになった。燃費向上もさることながら、こうした新たな可能性を見せてくれたことこそが、エスティマ・ハイブリッドならではの意義でもあるわけだ。
PROFILE
河村康彦|モータージャーナリスト

1985年よりフリーランス活動を開始。自動車専門誌を中心に健筆を振るっているモータージャーナリスト。愛猫家なのに猫アレルギーが発症し、このところ辛い毎日……
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