THS ニッポンの自動車ジャーナリストが語るトヨタハイブリッドカーへの想い
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オーナーの期待値を越える価値を想像していく使命感 < TOP  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11  NEXT >
2代目プリウス ハイブリッド先進国の日本でも、現在、新車で買えるハイブリッドカーは、事実上、プリウスを始めとするトヨタ車か、もしくはホンダ・シビックだけである。ドライバーからみて、両者のもっとも大きな違いは、モーターの“プレゼンス”である。ホンダ方式の場合、電気自動車のようにモーターだけで走行する局面はほとんどない。モーターのパワーはあくまでエンジンの肉付けに徹する。電動アシスト・エンジンカーといってもいい。

いっぽう、トヨタのハイブリッドは、はるかにモーターの存在感が大きい。より電気自動車的といえるかもしれない。短い距離なら、プリウスは任意にモーターだけで走ることができる。今後、家庭用コンセントから充電できる機能が備われば、電気自動車の実感はさらに強まるはずだ。

プリウスにはタコメーターがない。エンジンとモーターが協調するなかで、エンジンが主従関係の“従”に回るケースもある。そうしたシステムにあって、エンジン回転だけを教えることにあまり意味がないからだ。信号待ちの間に突然、回っていたエンジンが止まったり、止まっていたエンジンが点いたりする。パソコンのハードディスクがコチコチと音を立てて仕事するようなことに似ているだろうか。
そんなふうに、トヨタ式ハイブリッドは、乗員のあずかり知らぬところで勝手に動作する感がある。それを「おー、やってるやってる」とおもしろがれる人には、ハイブリッドカーはすでにクルマ以上の存在かもしれない。人はエコのみに生きるにあらず。ハイブリッドだって、おもしろいほうがイイにきまっている。
PROFILE
下野康史|モータージャーナリスト

自動車専門誌の編集部を経て、モータージャーナリストに転身。現在はクルマ雑誌を始め、週刊誌のコラムなど幅広く執筆活動を行っている。親しみやすい文体のなかに見える、鋭い着眼点や独特の語り口にファンは多い。
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