---- G-BOOK ALPHAが発表された直後に聞くのもおかしなものですが、今後、G-BOOKが目指すべき方向性についてお聞かせください。
友山 本当に気の早い話ですね(笑) 今後の事は言えませんが、ひとつ明確なのは『コストダウン』を目指さなければならないと考えています。新型DCMは、安全装置の価値として価格以上のものがあると自負していますが、やはりカローラやヴィッツクラスに搭載していただくには、お客様が躊躇する価格ではないかとも感じています。冒頭、G-BOOKの根幹は「安全」と申し上げましたが、それをすべてのお客様に提供させて頂くには、とにかくコストダウンする事が次への課題になるでしょう。
---- 機能に関しては、目指していたレベルはクリアーしたという事ですか。
友山 安全の部分に関しては、エアバッグ連動型で完成しました。その他のサービスについては、お客様によって、新たなニーズが生まれるかもしれませんが。
ひとつ言えるのは、安全のテレマティクスで考えれば、全車搭載が大きな目標だと言うことです。そのためにはDCM価格のさらなるコストダウンが必要ですし、サービス基本料についても継続的に値下げ努力をしていかなければならない。
---- 安全はプレミアムなサービスではない。テレマティクスの「基本」、自動車メーカーの責務として、最終的には全車種搭載が目標である、と。
友山 その通りです。ヴィッツやパッソ、さらに軽自動車まで視野に入れると、車載カーナビですら高額に感じられるお客様もいる。DCMの自立性をさらに高めて、(カーナビ非装着車でも)DCM単独で安全機能が実現できるようにするなど、取り組むべき課題はまだ多く残されています。
---- スバル車など他社にもG-BOOKを提供してゆく方針は変わらないのでしょうか。安全やセキュリティの機能は、たとえばレクサスで競合するメルセデスやBMWなどのライバルとの差別化に有効だと思いますが。
友山 G-BOOKは一人でも多くのドライバーの安全を守ることが目的です。低価格化による車種拡大と同じように、たとえライバルメーカーであっても惜しまず提供してゆきたいと考えています。
---- 今回、インタビューを通じて、第三世代の次のテーマは「通信モジュールの内蔵と活用」にあるのではないかと感じました。G-BOOKでは第二世代からDCM内蔵をやっていたわけですが、その目標が今回、サービスとして結実した。その点でG-BOOK ALPHAは第三世代を飛び越えたテレマティクスであると言えそうです。
本日はどうもありがとうございました。
《インタビュアー=神尾 寿》
《写真=浅見 洋》
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1958年生まれ。1981年群馬大学工学部卒業。1981年トヨタ自動車入社。以降、第三生産技術部、FAシステム部、生産調査部、国内企画部業務改善支援室を経て、1999年国内業務部業務改善支援室室長。2000年GAZOO事業部部長、ショッピングサイト『GAZOO』を立ち上げる。2002年e-TOYOTA部部長。トヨタの第二世代テレマティクス『G-BOOK』を立ち上げる。2003年トヨタモーターアジアパシフィック株式会社に出向。2004年帰任しトヨタ自動車e-TOYOTA部部長に復帰。2000年よりGAZOOやG-BOOKを運営するデジタルメディアサービス株式会社の代表取締役副社長(代表取締役社長は豊田章男氏)も兼任。
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IT専門誌契約ライターを経て、大手携帯電話会社の業務委託でデータ通信ビジネスのコンサルティングを行う。
'99年にジャーナリストとして独立。'04年に独立行政法人 新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)の技術委員を務める。現在はIRIコマース&テクノロジー社の客員研究員。移動体通信とITSを中核に通信が関わる分野全般を取材対象にし、企業の取材および定期的なユーザーヒアリングを実施。技術・ビジネスのシナジー効果、ユーザーニーズとデジタル文化の分析を行う。
著書は「自動車ITS革命」、共著は「逆転戦略 ウィルコム」、「別冊ダイヤモンド 知って得する法律ガイド」(すべてダイヤモンド社)など。連載は、「アンプラグドWeek」(レスポンス)、「時事日想」(ITMediaビジネスモバイル)。他にも多数のビジネス誌、専門誌、一般誌に寄稿している。
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2005年10月14日セミナー開催 |
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■G-BOOKギガインデックス[記事アーカイブ] |
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■インターナビ「第三世代の主戦場」今井武(ホンダ) 2004年10月14日 |
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■カーウイングス「第三世代の条件」野辺継男/小泉雄一(日産) 2004年9月29日 |
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■G-BOOK「“つながる”魅力をクルマに」豊田章男(トヨタ) 2002年9月2日 |
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