　レスポンス｜ Response.　[カーマルチメディア・インサイダー]日産自動車　プログラム・ダイレクターオフィス　カーウイングス担当　野辺継男主管　小泉雄主担

[カーマルチメディア・インサイダー]ホンダ　インターナビ推進室　今井武室長

――新型レジェンドの発売にあわせて、ホンダの純正カーナビが「Honda Navigation System」から「インターナビ」に名称変更されました。これは非常に象徴的な変化だと思うのですが、名前を変えた理由、狙いは何でしょうか。

今井　今回の名称変更ですが、私自身からずうずうしく社内に提案したわけではないのですよ。レジェンドの開発時のやり取りの中で、「他社製テレマティクスのように専用の接続ボタンをカーナビに用意した方がいいんじゃないか」という声があがったのですが、インテリアデザイン部門から「それは違う。インターナビはカーナビと完全に融合したシステムになっているんだ」と反論していただいて、その意見が今回の名称変更のきっかけになりました。

――これまで程度の差はあれどカーナビというハードウェアと、テレマティクスという外部情報サービスは切り離されて考えられてきた。これはパソコンやケータイの黎明期、インターネットの情報を「ブラウザー」というアプリケーションソフトからのみ見ていた時代に似ています。しかし、ホンダにおいてはカーナビとテレマティクスを切り離して考える事がナンセンスになっているという事ですか。

今井　カーナビとテレマティクスが既に融合している好例は、フローティングカーシステムの『プレミアムメンバーズVICS』や『渋滞予測情報』でしょう。テレマティクスを通じてお客様に最適なルート情報を出していく。完全にカーナビ機能とテレマティクスは融合しています。レジェンドでインターナビのフェイズを進めるにあたって、「ブラウザー」という概念は消していこうと考えました。

――ユーザーに「ここからは通信をする、外部情報にアクセスする」といった境界線を極力見せない。

今井　そうです。インターナビでお客様に提供する情報は、カーナビとテレマティクスという垣根なく、シームレスに提供していきたい。また、サーバー上の情報を提供するだけでなく、車内LANが持つ車両情報をセンター側にアップロードして、車両メンテナンス情報に活用するといったサービス面でのシームレスも考えています。

――クルマから「ブラウザー」の概念を排して、ユーザーのニーズに応じて、最も適した形で情報を提供していく。この部分で第二世代のインターナビプレミアムクラブより一歩前に進んだのが、レジェンドのインターナビである、と。

今井　テレマティクスにも世代の区分けがあるとしたら、我々はこのレジェンドからが「第三世代」なんだと考えています。名称の整理も行いました。ホンダの純正カーナビは「インターナビ」です。そしてホンダのお客様向け会員サービスは「インターナビプレミアムクラブ」という位置づけです。

――わかりやすくいうと、インターナビプレミアムクラブにはカーナビの地図情報交換サービスといったテレマティクスに直接かかわらないものも含まれる、という事ですね。また、テレマティクスの諸機能はインターナビとインターナビプレミアムクラブの両方に重なり合う形で存在している。

今井　そのとおりです。

――ホンダは2002年の第二世代インターナビプレミアム以降、矢継ぎ早にテレマティクスの新機能・新サービスを投入し、さらにカーナビとの融合を進めてきましたが、今回の「第三世代」はその集大成と言えますね。

今井　集大成であり、ひとつの区切りと言えます。

インタビュアー：神尾寿
写真：石田真一

【カーマルチメディアインサイダー】カーウイングス「第三世代の条件」（2004.10.1）

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【カーマルチメディア・インサイダー】ホンダ・インターナビ「クルマの一部をつくっている」（2004.7.14）

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