[カーマルチメディア・インサイダー]日産自動車 プログラム・ダイレクターオフィス カーウイングス担当 野辺継男主管 小泉雄一主担(10.1 UPDADE)
第三世代の条件
main photo
日産自動車はテレマティクスにおいて確固たる姿勢を貫いてきた。.........
融合ゆえに3年無料は当然
1998年にスタートした第1世代テレマティクス「コンパスリンク」から有人オペレーターサービスにこだわり、2002年3月にスタートした第2世代テレマティクス「カーウイングス」ではコンテンツサービスAutoDJをはじめるとともに、普及型のオペレーターサービスであるコンパスリンク・ライトを開始。有人オペレーターサービスの分野では常に他社を先駆けていた。

――10月1日からスタートする第三世代カーウイングスで興味深いのは、新車購入後3年間は利用料が無料になったことです。非常に割安だったとはいえ有料であった第2世代カーウイングスを、実質"無料化"した事は、カーウイングスのビジネスモデルや日産の中でのポジショニングが変化したという事なのでしょうか。

野辺 ナビゲーション(カーナビ)の機能を拡張していく、というカーウイングスの基本的な目的は変わっていません。オペレーターサービスの24時間化や最速ルート検索といった第三世代の新サービスも、すべてこの方向を向いています。今回、(新車購入後3年間無料にしたのは)カーウイングスを使うベネフィットをより多くのお客様に使ってもらおうという考えからです。

――2002年にトヨタ、日産、ホンダから第2世代テレマティクスが登場し、カーウイングスはいちど料金改定を行いました。しかし、第2世代カーウイングスは必ずしも大ヒットしたサービスになったとは言えないと思います。

野辺 テレマティクスは新しい技術に基づく新しいサービスですので、市場に浸透するには若干の時間もかかります。その一方で、一度お使いいただいた方は継続的に利用していただいている事もわかりました。第2世代は大ヒットという見え方はしなかったかもしれませんが、今後、ユーザーに浸透していく手応えは感じました。

――サービスのリピート率は高い。まずは使ってもらうという視点で、サービスの3年間無料化に踏み切ったと。

野辺 そうです。テレマティクスはやはり「どういうものかわからない」、「使い方がよくわからない」という課題があります。お客様にまずは試してもらう事が重要です。

――第三世代カーウイングスのサービスで、料金以外に印象的だったのが、カーナビとサービスとのマッチング、融合が第2世代と比べて格段に進んでいる点です。ここが機能やサービス面で第三世代の大きな変化だと感じます。

小泉 そのとおりです。カーナビとカーウイングスは融合しはじめています。第2世代の時は、カーナビがあって、カーウイングスがあるという形だった。ですから、サービス料金が発生するという考え方だったわけです。

しかし第三世代は、カーナビ機能の延長線上にカーウイングスがある。いわば「カーウイングス付きカーナビ」になったわけです。カーナビ機能の一部ですから、サービス料金の3年間無料化も当然という考え方になりました。

――料金プランとサービスの両方から、カーウイングスとカーナビがすり寄っていった。今まではカーナビとテレマティクスの間には明確な段差といいますか、壁があったわけですが、それを取り払おうという事でしょうか。

小泉 まだ少しはありますが、段差は気にならないレベルまで小さくなっています。

――そう考えると、3年間の無料後も気になりますが、「完全無料」化も考えられますか。

野辺 今の段階では3年間無料は究極の判断だと思います。今後もいいサービスを提供していけば、無料期間終了後も契約継続をしていただけると信じています。


インタビュアー:神尾寿
写真:菊地慶・石田真一

新カーウィングスのセミナーイベントを開催いたします。
申し込みはココから。
次のページへ
Page: 1 of 5 
Page 1 Page 2 Page 3 Page 4 Page 5