---- 今回のインターナビ・ルートはサーバー側で処理するメリットをいかして、「省燃費ルート」や「ETC割引ルート」、「最速ルート」、「最速一般道優先」、そして総合的に“お得”なルートを出す「スマートルート」など、様々なルート提案を実現しています。その一方で、ユニークだなと思ったのが、「シーニックルート」です。これは“ドライブが楽しくなるルート”を提案するもので、これまでのカーナビが目指してきた合理性のあるルート提案とは対局にあるものです。
今井 これだけガソリンが高くなりますと、クルマに乗ること自体が悪いことのような風潮になっている。だからこそ、『より経済的なルート提案』をする機能を(インターナビ・ルートに)持たせたのですが、一方で、ホンダというのは、ファン・トゥ・ドライブや、クルマを運転する喜びを追い求めるというDNAを持っている会社です。『クルマを運転することは楽しい』という気持ちは忘れてはいけないと考えています。
---- だからこそ、本来は「効率的に目的地まで案内する」はずのインターナビに、「楽しく目的地までドライブできる案内をする」機能を持たせた、と。
今井 ガソリンを節約するというのは大切なことですが、それは走る喜びを感じるための前提でなければならないと思います。さらにシーニックルートは、これまでは合理性第一のアルゴリズムによってルート提案から外されていた“運転して楽しい道”を案内します。走りながらきれいな海が見える、花火に出会うといった体験が、クルマを「単なる移動手段」としないために必要ではないかと思うのです。
《インタビュアー:神尾寿(通信・ITSジャーナリスト)》
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