平井) 「L-finesse」はさらに3つの要素、「予」「純」「妙」で成立します。「予」は“もてなしの心”につながる時間軸の表現、「純」は明快な主張、「妙」は面や線の変化で生まれる味わい、深みです。
フミア) いっぽうLF-Shのデザインは、例えばメルセデスベンツやBMW、アウディなどと比べると押し出しに欠けます。
平井) LF-Shはプレミアムカーです。視覚的な押し出しよりは知的なステータスを備えたい。「畏敬」の魅力で人々が寄ってくれればいいのです。
フミア) なるほど。ことさらアイキャッチは作らない。
平井) ええ。表面的なデザインキュー、デザイン言語よりも、各車の「背景」にある共通の思想でブランドを表現したい。ドイツ車を筆頭とする世界のトレンドの中で、このアンダーステイトメントのブランディング手法が通用するか期待しています。
フミア) 「アンダーステイト」とか「finesse」といっても、目に見える造形の表現手法としては控えめだったり弱いかもしれないけれど、レクサスのもつメッセージ性は強いのですね。
平井) はい。われわれ2人とも男性なので「L-finesse」を女性に例えますとですね、パーティで着飾って華やかに目立つ人ではなく、壁際にいるのだけど何となく気になる人。話してみたら面白い人で、パーティの時間があっという間にすぎてしまった、そんなデザインです。
フミア) うーん、「L-finesse」が何であるか、また「日本独創」を求める積極的な姿勢がよくわかりました。こうなったら「L-finesse」という言葉そのものも日本語にしましょう。「センエイ(先鋭)、セイミョウ(精妙)」ですか。「カイゼン」「カンバン」みたいな国際語になりますよ。
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