INTERVIEW
ブランディング方法論にも日本独創を
平井) それと「日本独創」ではもうひとつ、要素を取り除いていって、何事でもシンプルにするのも日本的要素、行動モードです。

フミア) そこなんですが、レクサスは欧州車で常識的な、特徴のあるグリルの形状でブランドデザインも特徴付けることをしていません。私は日本的なデザイン手法を「漢字デザイン」と呼びます。二十数文字しかないアルファベットとちがい、日本人は複雑で微妙な形の差異を覚え、それぞれに意味を見出す。シンプルといっても台形や三角のような単純な図形を用いないブランドデザインは日本的なデザインモードです。

平井) 欧州車がグリルでブランドを築くのに100年かかりました。レクサスにも特徴あるグリルが必要かもしれませんが、ある日突然それが出てくるのは不自然です。

フミア) 欧州車はたしかにディティールが特徴的ですが、最終的に印象に残るのはボリューム感ですね。

平井) 特徴あるディティールでブランドデザインを決定するという手法自体、欧州で生まれたものです。ブランドの作り方にも日本独自の方法があるのではないか、と考えてブランディングに挑戦しています。

フミア) なるほど!

平井) それでレクサスのデザイン哲学を「L-finesse」としたのですが、各地のデザインセンターがそれぞれコンセプトカーを作って、それぞれ「L-finesse」とは何かを考えました。日本で『LF-S』、アメリカで『LF-C』、欧州で『LF-A』……。
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LF-C
LF-C(ニューヨークモーターショー04)
LF-C
LF-C(ニューヨークモーターショー04)
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