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---- 今後、インターナビプレミアムクラブが広まるにつれて重要度が増すのが、通信インフラ、すなわち携帯電話ネットワークとの連携です。現在のインターナビプレミアムクラブで疑問なのが、通信で携帯電話でトレンドのパケット通信を使わず、回線交換(ダイアルアップ)を使っていること。なぜでしょうか。
今井 単純にコストの問題です。インターナビプレミアムクラブでは端末とサーバーがまとめてデータのやりとりをするのですが、そういうバースト(急激)なデータ交換では回線交換の時間課金の方が実はユーザーのコスト負担は軽くなります。インターナビプレミアムクラブの1回あたりのデータ交換の場合、パケット通信だと120円くらいかかるのですが、回線交換だと(料金プランによるが)20円ほどですみます。
---- しかし、携帯電話業界では3G(第3世代携帯電話)の進展で、パケット料金の低価格化が進んでいます。
今井 それでもまだ高いですね。(携帯電話の)パケット料金がすべて定額制になればそちらの方がいいわけで、期待していますが、今のところauのEZフラットやドコモのパケホーダイもカーナビなど車載器からの利用は定額料金が適用されません。
---- なるほど。ですが、NTTドコモが900iを発売することによって、ユーザーは確実に3Gに移行していきます。これはホンダに限らないのですが、車載器側が(ドコモの50xや25x、ボーダフォンなどの)2G向けの接続ケーブルしか標準添付していないのはいかがなものでしょうか。
今井 3Gで先行するauのCDMA2000 1x向け接続ケーブルは別売で出しています。しかし、FOMA対応が未だできていないのは事実です。しかし、キャリアごとや、同じキャリアでも2Gと3Gで外部接続コネクターの形状や仕様が違うという状況で、自動車メーカーとしては対応が非常にしにくい。
---- 確かにauとドコモでコネクター形状が違いますし、ドコモでは50xや25xの2Gと、3GのFOMAではコネクターが違います。しかも一部のFOMA端末の外部接続コネクターがハンズフリーフォンに対応していない。
今井 我々はドライバーの安全のために純正カーナビにハンズフリーフォン機能を用意しているのですが、(FOMAの)コネクター側が対応してくれないのであればお手上げです。またコネクターが変われば、当然モデム機能も変えなければならない。単純に形状変換アダプターですませられるような簡単な問題ではないのです。
---- とはいえ、900iでFOMAユーザーは確実に増えています。
今井 そうですね。ユーザーにできるだけコスト負担をかけない方向で、すべてのFOMAに対応する方法を考えているところです。
---- 今後、携帯電話との接続の問題はどうなっていくのでしょうか。
今井 インターナビプレミアムクラブは当初からBluetoohを携帯電話接続の本命として考えていました。通話もデータもBluetoothで、という考えに変わりはありません。キャリア側の早期対応に期待しています。
----- 通信モジュールという選択肢はありませんか?
今井 現在の価格(市販で2万9800円)では高すぎますね。仕入れ値、販売価格ともにもっと安くならないと話になりません。そもそも携帯電話キャリアが我々の足元を見ているなあ、と感じています。Bluetoothにしても普及台数の方を先に増やせ、という考え方でしょう。たぶん、そういうスタンスではキャリアが自動車ビジネスに入る余地はなくなるでしょうね。
---- チャンスを失う、と。
今井 そうです。通信インフラは既存の携帯電話インフラだけではないですからね。DSRC、無線LAN、地上デジタルなど放送系のインフラも出てくる。(キャリアの対応があまりに悪いと)携帯電話に頼り切る必要がどこにあるんだ、という話になってしまいます。
---- 通信モジュールの話に戻しますが、あれはあれでセキュリティサービスとセットで使えるといったメリットはあると思うのです。ずばり、いくらだったクルマに搭載できますか?
今井 1万円ですね。モジュール価格で1万円を切れば、標準装備を検討できます。
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