【日産 スカイライン 200GT-t 発表】専用のBOSEサウンドを試す…世界初の音響技術「AST」とは

自動車 ニューモデル 新型車
新型スカイライン専用で開発された計14個のスピーカーとパワーアンプが組み合わされる
  • 新型スカイライン専用で開発された計14個のスピーカーとパワーアンプが組み合わされる
  • 初めてインフィニティのバッヂを付けた新型「スカイライン」
  • ボーズサウンドシステムの構成図。14万5800円(税込)のメーカーオプション設定となる
  • オーディオ操作部と、モニター周辺。「Bose」のロゴマークはない
  • 前方ドアには3つのスピーカーをビルトイン。パワーウィンドウスイッチ下の8cm口径ユニットがサウンドステージを作り出す要となるスピーカーだ
  • ダッシュボード上のスピーカーは、かなりフロンドガラス寄りにセットアップ。これも広がり感を演出する工夫の一つ
  • リアトレイには25cm口径サブウーファーと、8cm口径の中高音用8cm口径ユニットが左右にセットアップ
  • Boseサウンドシステムのコントロールはモニター上にで行える。定位感をよりドライバー寄りに設定するときは「Driver's Audio Stage」を“ON”するといい

インフィニティのバッヂを付けた『スカイライン』。当初は3.5リットルエンジンを組み合わせるハイブリッド車のみだったが、先日、2リットルターボ車が追加されたことで注目度は一段と高まった。そんな中、全車にメーカーオプション装着されるBOSEサウンドシステムを試聴した。

このシステムには、新型スカイライン専用で開発された計14個のスピーカーとパワーアンプが組み合わされる。このシステムを活かした世界初の技術が「アドバンスド・ステージング・テクノロジー(AST)」。ボーカルや楽器一つひとつをコンサートホールのベストポジションで聴いているかのようなサウンド体験を実現するというものだ。

その技術ポイントは、楽曲を演奏するライブ感をそのまま再現できるよう、それぞれの音にリアルな方向感を持たせていることにある。このカギとなっているのが、全14個のスピーカーのうち、音場を作り出すために用意された5個の8cm口径中高音用スピーカー(ダッシュボード上×3、左右ドア×2)だ。これに、BOSE独自の信号処理を加えることで、単なる前方定位ではなく、より広がりのあるステージ感を再現しているのだ。

これまでもダッシュボード上にスピーカーを置く例はあったが、それはフロントスピーカーの中高音用としての役割が主だった。結果として、前方定位はより明確になるが、左右の広がりまでは再現できなかった。新型スカイラインに搭載されたシステムでは、3つのダッシュボード上スピーカーと、ドアマウントされた計5つのユニットを組み合わせることで、まるで目の前にステージが出来上がったような広々とした音場を再現できたというわけだ。

試聴してみるとその効果は絶大だった。カーオーディオでは、リスニングポジションがスピーカーの位置と近いために音が片方に寄りがちとなり、左右の広がりも車幅に左右されるのが一般的だ。それがこのシステムで聴くと、耳元で鳴っている感じがなく、広々とした空間で演奏されているような感じが伝わってくる。しかも楽器一つひとつの位置が曖昧になっていないから、広々とした臨場感の中にもしっかりとした定位感を感じ取ることができるのだ。この音場感は良くできたホームオーディオで得られる感覚に近い。

そしてBOSEがこれまで実績を踏んできた技術が「Centerpoin2」と、「AUDIOPILOT」だ。これは、ステレオ(2ch)音源であってもバーチャルで臨場感たっぷりに再現できる技術で、CDだけでなく、スマホ等に収録した圧縮音源なども対象とする。限りある空間となる車内で再生するとどうしても、こぢんまりとしたサウンドになりがちだが、この機能を使うと状況は一変。フワッと広がりのあるサウンド空間を表現するようになる。

加えて新型スカイラインには、走行中のエンジンやロードノイズが低音域を中心とした再生音に影響を与える「AUDIOPILOT」が組み合わされる。車内に設置されたマイクが走行ノイズを常時監視し、ノイズレベルが変化してもボリュームをいじることなく自然な状態で再生が継続されるというわけだ。

新型スカイラインでは、この3つの技術を組み合わせることで、走行シーンに合わせた最適な状態で、好きな音楽が楽しめる。ただ、低音の膨らみが控えめだったことで、従来のBOSEサウンドに比べるとややおとなしめの印象を受ける。これはよりハイグレード志向に振った新型スカイラインのキャラクターに合わせた可能性が高い。その意味で、ノイズキャンセリング技術に長けたBOSEが手掛ける、カーサウンドの醍醐味を存分に味わせてくれるシステムと言えるだろう。

《会田肇》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集