ピニンファリーナやフィアットグループなどで活躍したカーデザイナー、エンリコ・フミア。フミア氏率いるフミアデザイン・アソチャーティは、ランチア100周年を記念したデザインスタディ、ランチア『J』を提案した。《インタビュア:松本明彦》
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−−ランチアJのデザイン手法でもあると思うのですが、フミアさんが日頃から提唱されている『漢字デザイン』を説明してください。
フミア 明快でシンプルなグラフィック・シンボルから成り立つ『漢字』のように、デザインに特徴的な個性を与えるものです。そして瞬時に伝わるメッセージです。ランチアJでは、『波』をモチーフとし、前後バンパーとボディサイドに採用しました。波は、未だかつて他車には採用されていない、個性的なモチーフなのです。
ランチアJではさらに『フォー・サイド・ルック』を採用しました。既に、私がデザインしたアウディ『クォーツ』、フェラーリ『F90』などにも採用されている技巧です。ランチアJではその独自のスタイルを強調するために採用しました。