今回のJNCAPで一番大きな変更点とされるもの、それは対象車種の選定において「一般からの投票による選定を行わない」ということだ。
今年のJNCAPの試験用に選定される自動車は、(1)直近6ヵ月の販売実績が上位の車種から選定(ただし最近モデルチェンジしたものは前のモデルの販売実績を考慮する)、(2)早期にモデルチェンジが行われる予定の車種は選定しない、(3)1メーカー当たり6車種を上限にする、という3点が前提となっている。
昨年はこれに加えて「販売台数が少なくても注目される自動車を試験したい」ということで、一般からの投票による車種を1台だけ選定した。そこで選ばれたのがトヨタ自動車のハイブリッドカー『プリウス』だった。
しかし、プリウスはハイブリッドカーで同クラスのクルマより車重が重いことなどから、全体的に安全性の評価は低かった。しかも、前面衝突試験では白煙を吐く事故まで起きてしまった。この結果は運輸省もショックだったようで、せっかくの低公害車の安全性が低いと評価されるのは問題があると感じたのか、それとも巨大メーカーであるトヨタに遠慮したのか、今年は投票による車種選定を中止することとなった。