トヨタのハイブリッドカーとしてはじめてのFR用システムです(ただし、アイドリングストップを主目的としたTHS-MはFR用でした)。THS-IIの基本構想である、昇圧による高電圧を利用したシステムに変わりありません。
上級セダンも、ミニバンやSUVと同様に大柄で車両重量が重くなります。同時に、ヨーロッパでは日本より高い速度で走れる道路環境があります。そこをリダクションギヤで減速したまま走ったのでは、さすがにハイブリッドカーといえども燃費向上を妨げる懸念があります。そこで、高速用の変速ギヤを追加したのが、2段変速リダクション機構付THS-IIなのです。
日常の走行では、低速のリダクションギヤで鋭い加速が得られます。速度が上がると高速ギヤに切り替え、燃費重視の走りを実現します。減速すれば、再び低速ギヤに切り替わります。リダクションギヤの高速/低速の切り替えは自動的に行なわれますが、シフトショックはなく、いつ変速が行なわれたか気付かないでしょう。
レクサス『LS600h』『LS600hL』では、THS-IIの動力を前輪へも配分するトランスファーが装備されています。この4輪駆動は、『エスティマハイブリッド』などに採用された、別個のモーターを使う方式ではなく、THS-IIにより発生した動力をそのまま前後輪へ分配する方式です。 |
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