会田:現状を見てみましょうよ。通信インフラが整わない限り、そこまでいくのはなかなか難しいですからね。やはりこの時期に関していえば、一般ユーザーにはDVDの方が分かりやすいでしょう。
三浦:カーナビ業界においてはDVDは古いメディアかもしれませんが、一般ユーザーにとってはDVDこそ今が旬なんですよね。DVDレコーダーが爆発的に売れている今年こそDVDナビは注目されます。
会田:今年になって発表された『DVD楽ナビ』はライバルにとっては脅威でしょう。DVD再生とナビゲーションを低価格の中で見事に両立させている。
三浦:他社がこれと同じ機能を持つためには、大容量メモリーをもって一部地図を入れてしまうかHDDとの組み合わせに頼るしかない。いづれもコストアップの要因。
神尾:私はDVDって、いわゆる動画を扱うサービスの第一段階だと思うんですよね。で、その次の段階が、家庭内のホームサーバ、ハードディスクのホームサーバとの連動。
三浦:でも大容量のものって、やっぱりパッケージメディアにするメリットって大きいですよね。
神尾:パッケージにすると著作権の問題を解決できるというメリットがありますからね。そういう意味では、この問題がソフトウェアとしての動画コンテンツが流通しない一番の原因だったりするんですけれども。
三浦:まあひとまず、当面市場の中心になるのはDVD。となるとハードディスクナビは容量が増えるくらいかな。
会田:機能が変わらないとすれば、ハードディスクナビでそのほかにできるのは価格を下げることくらいかな。新しい三菱のハードディスクナビはHDDとDVDのツインドライブで実売20万を狙ってきている。
三浦:DVDモデルと同じ価格帯でハードディスクナビが出てくるというのが、今年前半のトレンドかな。
神尾:市販ナビ、もっと頑張らないと純正ナビにとられちゃうかも。純正ナビなら一等地を確保できるし、機能的にも追いついてきてるから。
会田:だから今あるものでどれだけユーザーを楽しませることができるかが勝負になってくるでしょうね。そういう意味で注目しているのはカーAV。各社AV関係のラインナップが非常に充実してきてる。カーナビとのリンクってもっと高くなってくると思います。
神尾:イクリプスが続けていたAVN構想ですね。
会田:AVNもそうだし、リアエンターテインメントとか。そういった部分で、カーナビの中のDVDの再生機能をもっと充実させることができると思うんですよね。
三浦:そうなるとDVD回帰がはっきりしますね。
会田:そう。だから僕はDVDがね、また一段盛り上がるんじゃないかなっていう気はしています。でも過去には戻れない。DVD再生とナビゲーションの折り合いをつけた機種のみが参戦権を持つ。
神尾:テレマティクスで武装する純正ナビを含めた厳しい戦いですね。通信とDVDビデオ、それとナビ。コスト競争力と企画、技術力のどれが欠けても求められる製品にならない。
三浦:不謹慎だけど観戦者としては非常に興味深い。今日はどうもありがとうございました。
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