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クルマの魅力は世界共通
----国内市場の活性化という面ではガソリン価格 の値上がりという逆風も強くなっています。

青木 そうですね。これだけ大きく上がってくるとクルマの使用を控えようという動きも出てくるでしょうし、より省燃費へのクルマへの志向も強まるでしょう。今のところ、残念ながらガソリン価格が下がっていくようには見えませんね。

そうしたなかで自工会としては、新しい技術などを体験していただける場の提供なども進めていきたい。たとえば安全技術の進化を体験していただくことが、買い換えにつながることもあると思います。

東京モーターショーがそうした場でもあるのですが、開催は2年に1度ですから、(休催の)今年はクルマの夢や魅力をアピールする催しも計画していきます。とくに子供さんも含め、若いうちからクルマの魅力を感じていただけるような取り組みが重要だと考えています。

----ユーザーにとってのクルマの魅力は、普及状況など国や地域によっても違います。

青木 確かにマーケットによって共通している点もあるし、そうでない多様なところもあります。共通なのは「足」としてのクルマ、交通手段としてのクルマでしょう。そこでは燃費性能や安全性能が重要になってきます。また、操る楽しさやデザインもクルマの魅力のひとつだと思います。

日本市場向けについては各社が知恵を絞ったクルマを出していますが、残念ながらまだ需要回復までにはつながっていません。簡単にピンポイントで「これ」ということはありませんので、われわれは安全や環境対応といった新技術も含めて、一層取り組みを強化しなければなりません。

----これからは、エコカーの登場が国内市場を刺激するということもあるのではないでしょうか。

青木 社会的責任からも各社が環境にやさしいクルマを指向していますし、そうしたことはユーザーの方々にもアピールしていきたい。しかし、燃料電池 車など次世代技術についてはコストや技術、さらにインフラも含めて、まだまだ課題があるのも事実です。ここしばらくはガソリン、軽油を燃料にする内燃機関が主体でしょうが、化石燃料に依存しない技術開発へのチャレンジは続けなければなりません。


インタビュアー:池原照雄(経済ジャーナリスト)
写真:竹内征二
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