---- 今回のインターナビの目玉は「地図リアルタイム更新」なわけですけれども、もうひとつインターナビウェザーを拡張した豪雨情報など、テレマティクスの防災分野での活用も進んできていますね。
今井 インターナビウェザーは2005年から投入していますが、我々は交通情報だけじゃなくて、カーナビと連動する気象情報も大事であるというスタンスを取っています。昨年11月からは豪雨情報を提供することで、安全走行に寄与するテレマティクスについてもトライアルしてきましたが、これを正式サービスにします。
---- 豪雨情報は予防安全のひとつ「インフォメーションセーフティ」分野に属するサービスとして注目していますが、トライアルをしてユーザーの反応はいかがでしたか。
今井 トライアル期間中にユーザーの声を聞きましたが、(豪雨情報に対する)ネガティブな意見はひとつもありませんでした。手前味噌になってしまいますが、「ホンダの先進安全への取り組みを評価する」「インターナビにしてよかった」というご評価をたくさんいただきまして、安全情報のニーズは非常に大きいのだと実感しました。
---- 物足りない、という声はありませんでしたか?
今井 もう少し警報を出すタイミングを早くして欲しい、というのはありました。一時間に50ミリの降雨ですと、かなりの大雨ですからね。ほかには地震や降雪情報にも対応してほしい、というサービス拡大への期待は多かったです。
---- 今回、地震情報にも対応しましたね。
今井 地震情報はルート上に発生した震度5弱以上の地震情報をナビゲーション画面に表示・警告するもので、道路の陥没や崩壊などへの注意を促すことへの効果を狙ったものです。この震度5弱というのは道路に被害が及ぶ可能性がある強さですね。
また、インターナビではお客様からフローティング情報と一緒に位置情報を送信していただいていますので、もし地震発生地域付近を走行中の場合は、ユーザーがあらかじめ登録したメールアドレスに直前にあがってきた位置情報付きのメールを送ります。
---- 家族に対して「位置」を知らせられるわけですね。いざというときには便利な機能かもしれません。また、災害情報とフローティング情報を組み合わせるというのも新しい方法ですね。
今井 ええ。実はフローティング情報を防災に役立てるという試みは以前から考えていまして、先の中越地震ではフローティング情報によって「走れない道路」を地図化しました。これは独立法人防災科学研究所(現:NPO防災推進機構)にデータ提供するなど、防災とテレマティクスの連携として取り組んでいます。
---- フローティング情報で道路の寸断箇所がわかるのですか?
今井 これがけっこうわかるんですよ。被災地からのフローティング情報で、あるポイントでUターンするデータが複数送信されてくる。そういう場合は、何らかの原因で「そこは通れない・危険な場所」だと判断して地図上にマッピングするんです。被災地域全体でインターナビのフローティング情報すべてを見ると、通常の走行では考えられない道路上のポイントが把握できますから、これを"道路の被災情報"とするのです。実際、中越地震の時は地元自治体や防災本部に情報提供するなど、インターナビとして被害状況の把握に協力しました。
---- なるほど。被災時の被害情報把握では、GPS携帯電話を使って多くの人々に情報提供してもらう「被災マッピング」などが取り組まれていますが、フローティングカーもクルマによる半自動の被災マップ作りのツールになるわけですね。また、地震ほど大きな災害でなくても、クルマからのデータで道路が"安全に走れるかどうか"をマッピングする仕組みはいろいろな可能性がありそうです。
《インタビュアー:神尾寿(通信・ITSジャーナリスト)》
《写真:石田真一》
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