---- G-BOOK ALPHAでは「G-SOUND」として音楽を軸にエンタテイメント分野に取り組まれましたが、その結果はいかがでしたか。
友山 G-SOUNDはカーナビ本体に楽曲データをプリインストールし、再生キーをネットワーク経由で販売するという形で展開しましたが、特に中高年のお客様からは支持されました。こういったお客様は、携帯電話やPCにデジタル音楽をダウンロードすることを煩雑や難しいと感じる。G-SOUNDならばプリインストールされた曲を買うだけですから、ダウンロードのような難しさがないことが評価されました。特にレクサスのお客様にはクラッシックの曲が好評でした。
しかし、その一方で、若年ユーザーは新曲を求める声が大半で、プリインストール型の音楽配信サービスで若年層のニーズに対応するのは難しい、という結果になりました。
---- なるほど。音楽配信サービスの受け入れられ方や最適なサービス提供の仕組みが、ユーザー層でかなり分かれるのですね。
友山 そこで今回は、基本的なコンセプトとして、「新曲は携帯電話でダウンロードして、それをBluetooth経由でクルマで聞いてもらう」、「G-SOUNDは運転中に聞きやすいように何曲かをカプセルとしてパッケージ化する」という2つのアプローチにしました。
----- 従来から好評だったG-SOUNDの仕組みは使いやすくしながら、難しかった新曲ニーズに"ケータイで応える"形にしたのですね。
友山 ええ。例えばG-SOUNDのカプセルも、クルマの中で聞きやすいように「こういう気分の時にあった曲」といった感じでカプセルにしています。これが全部で103カプセルある。さらにレクサスオーナーに好評だったクラッシック147曲は無料化しました。
Bluetooth連携については、接続先が(Bluetoothの)オーディオプロファイルに対応していれば、携帯電話だけでなく、iPodやウォークマンとも接続できます。Bluetooth経由でこれら携帯音楽プレーヤーと連携することで、その先にある(着うたフルやiTunesなど)様々な音楽配信サービスと連携してしまったわけです。
----- 後者の場合、楽曲の入手経路はユーザーの自由、ということですね。最近は着うたフルでの先行配信なども増えていますから、クルマ側の音楽配信サービス対応としては、他の機器に「乗っかる」のはいい方法かもしれません。
《インタビュアー:神尾寿(通信・ITSジャーナリスト)》
《写真:益田和久》
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