−−今年3月に合意したトヨタとの業務提携の進捗状況はいかがですか。
森 SIAでの受託生産、開発受託、当社のハイブリッド車という3つの項目ですが、進行状況としては計画通りです。最初に具体的に出てくるのはSIAでの生産ですが、ラインの改修が進んでおり、来年春ごろの生産開始という計画に沿っています。
−−ハイブリッドはいつごろ登場するのでしょう。
森 トヨタさんのシステムを使わしていただいて、われわれのクルマに適応していこうということですが、具体的スケジュールはまだ検討段階です。もう少し時間をいただきたい。
−−欧州ではCO2規制の強化もあってコンパクトカーの投入が必要ですが、トヨタの協力を得るのも選択肢ですね。
森 ダイレクトにトヨタさんとの関係となるかは別にしてですね、何らかの形で欧州ではディーゼルとBセグメントのコンパクトカーが必要というのは事実です。
水平対向で進めているディーゼルに関しては、独自でやっていたハイブリッドをトヨタさんのシステムにすることで、開発に集中できるようになりました。これもトヨタさんとのアライアンスの成果と言えると思います。そうしたものも含めて、ディーゼルやコンパクトカーをどう進めるか検討していきます。
Bセグメントは足元で欲しいのは日本であり、欧州です。そうした課題はトヨタさんとの提携以前にもあったわけで、あらゆる可能性を検討しているということです。一方で米国にもトヨタさんやホンダさんがコンパクトカーを投入するなど状況も変わっている。
かつては現地のディーラーに聞くとコンパクトもディーゼルもいらないということだったが、最近は変わってきた。米国もマーケットが動いているわけで、われわれとしては投資もしやすくなる。そうしたマーケットの変化に対応できる(商品の)ポートフォリオは当然考えていく必要があります。
インタビュアー:池原照雄(経済ジャーナリスト)
写真:竹内征二
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