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チャレンジ行き過ぎ、ユーザーを置き去り
−−スバルらしさをブランディングするうえではデザインも重要ですが、ちょっと右往左往しているようにも見えます。

 デザインだけでなくパッケージとして語らなければならないのでしょうが、われわれとして、あるユニークさを持ちたいという感覚があるわけです。デザインを試行錯誤するうえで、正直なところ、少しお客様の先を行き過ぎたかなという気がします。そこのところは直さなければならない。顧客のベースになるのは、あくまでも今乗っていただいているお客様ですが、少しずつ進化もさせていかなければなりません。それが一時的にちょっと行き過ぎたかなという感覚はあります。

当然、新しいエリアでもスバルのお客様になっていただかなければならないのですが、従来のお客様をちょっと置き去りにしてしまったのかなという感じです。そこをバランスを取りながら進化させていきたいなと。(5年前に)竹中(恭二前社長)が初めてプロパーの社長になって、われわれも「よし、やるぞ」という感じがあったわけで、一気に行き過ぎたという気はしています。ユニークさを追求し過ぎたのかなと、そこを少し軌道修正する必要はあります。

−−個人的には好きなクルマですが、軽自動車の『R2』や『R1』がそういった感じですね。

 われわれとしてはあの時点で、(軽は)いつまでもボクシーなクルマだけではないだろうと、本来の良さを追求して少し新しいジャンルに振って行きたいという思いはありました。ただ、結果として残念ながらお客様がついて行ってくださらなかったということになっている。そこで今回、『ステラ』を出したわけですが、本来ならステラのようなクルマが先にあってR2などを出せば違ったかなとは思っています。


インタビュアー:池原照雄(経済ジャーナリスト)
写真:竹内征二
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