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ディーゼルアレルギーは環境省にもない
三浦 燃費に対するアプローチで、ディーゼルというテーマがあります。自工会のメンバー各社でも、欧州ではディーゼルエンジン車を販売しているわけですが。

八谷 欧州では、CO2低減技術の目玉がクリーンディーゼルということもあり、ディーゼル比率は欧州平均で5割、フランスでは7割もあるそうです。

なぜ日本でディーゼルが普及しないかというと、売れないから作れない、設定ができない、という悪循環に入ってしまっているからです。 黒い煙を吐いて、ガタガタ振動するというネガティブなイメージが抜けきれないんじゃないでしょうか

三浦 例えばハイブリッドは、マーケットを作ろうとして一生懸命アプローチしてるメーカーがあるのにたいして、ディーゼルのマーケットを作ろうとするメーカーがなぜいないんだろうかと思うのですが、もしかして環境省のほうがアレルギーがあるんでしょうか。

八谷 いえ、環境省はむしろ、なぜディーゼルが日本では売れないのかということを小池大臣が質問をされるぐらいですから、そんなことはないと思います。

それよりも、ハイブリッドというイメージやブランド力にはプレミアムを払ってくれるけど、ディーゼルに対してはもともとネガティブなイメージがあるのでプレミアムを払えないという市場性があると思います。

ましてや最近のクリーンディーゼルは、コモンレールを使った直噴エンジン、排ガス中の微粒子(PM)の処理装置DPF、尿素を使った触媒などなど、コスト要因が積み重なっていますから。

三浦 超ハイテクエンジンなわけですね。

八谷 そうです。それにプレミアムを感じているヨーロッパ市場と、ハイブリッドが先行している日本市場の差が出てしまうというわけですね。

三浦 では、ハイブリッドやディーゼルの次世代となる燃料電池などのクリーンモビリティーですが、どのようなスパンで実現に向かっていくのでしょうか。

八谷 燃料電池や電気自動車は、確かにそれ自体CO2を排出しませんが、たとえば水素を燃料として使用する場合、水素を作るのに必要なエネルギーを計算しなければいけない。 電気自動車でも同じ事です。

もちろん、燃料電池の技術がまだまだ熟成されてないという課題もありますし、インフラの普及によっても大きく影響されると思います。

個人的には、2010年までにはほとんどカウントできる台数にはならないだろうなと思っています
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