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――そのなかで志賀さんの持ち味も出して行くということですね。
志賀 ゴーン社長とは配役の違いということもあり、社長以上のことを出そうとしてもダメ。私は結構、自信家ですが、そこまでは思っていません(笑)。30年近く会社に勤め、日産の歴史がわかっているということ、日本語で関係者とコミュニケーションできるということなど、私なりの味でやっていきたい。
バリューアップ計画など、会社としての方向やビジョンはあらかじめ出すわけですから、まさにその執行を担うということです。社内でコミュニケーションしながら実行して正確に、きっちり結果を出す。さらにプロセスをきめ細かくモニターして、その障害を解決していくのがCOOの役割と、私自身はしっかりイメージできています。恐らく(外部の)皆さんが「経営体制が変わる」と考えておられるほどのギャップは私にはありません。
――ゴーン社長から、マネジメントを学んだということですが、印象的なところは?
志賀 いろいろありますが、「真面目な経営」ということでしょうか。企業には大小を問わず常に問題が起きています。プライオリティ(優先順位)は置くものの、すべての問題から眼を背けないということです。小さな問題にもしっかり眼を向けて解決するというマネジメント手法です。とかく小さな問題というのは、昔からあることだとか、無視してきたことだからと考えて手を付けずに放置されがちです。
マネジメントとして手を付けないものだから、問題意識をもっている課長クラスが結局、モチベーションを失うということになってしまう。ゴーン社長の場合は小さな問題から大きな問題まで全部メモリーしていて、それぞれにプライオリティも付いている。それを次々にやっていくということを随分学びました。
日常的な業務を行う時は、マンパワーというのは工数で示されるのですが、99年以降のように変革する時には、さらにエナジーが追加的に必要になります。会社にとってのエネルギーは限られてきますから、組織としてどれだけ変革のエネルギーをもっているかを常に測りながら、プライオリティを付けていく。しかも「この会社は」と第3者的に見ることはありません。すべて自分の問題として対処していく。それが、「会社を経営する」ことなのだなと実感しましたね。
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日産自動車 |
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