ホンダは飛ぶ!! グリーンシグナル点灯間近
福井威夫社長

――宗一郎さんが「飛行機もやる」とおっしゃって40年です。福井社長の時代には実現できそうですね。

福井 大きく分けてピストンエンジンと、ジェットエンジンがあるのですが、ジェットエンジンの方は、機体も含めて開発していて年内を目標に実験機を飛ばす段階です。これはまだ、完全に研究段階で、われわれの狙っている性能を確認する段階です。その先には、ビジネスが開けて来るかも知れませんが、今のところ事業化については白紙です。ビジネスの検討に入ったのはピストンエンジンの方です。これはアメリカに相当大きな自家用機の市場があって、2人乗りから数人乗りくらいの範囲ですね。その機体のための動力源です。いまのアメリカのエンジンは依然として有鉛ガソリンなんです。政府もこれを何とかしなければならないと考えています。われわれのエンジンは、当然、無鉛ガソリンでメンテナンスもやり易いものを開発しています。うまく行けばアメリカの社会に貢献できるし、われわれにもビジネスのチャンスが来ると、こう思っています。

――時期的には?

福井 1年以内くらいに、ある程度ゴー・ストップの判断が出せるでしょう。

――ピストンエンジンはどれくらいの大きさですか。

福井 水平対向4気筒で、排気量は6リットルですね。今やっているのは4気筒ですが、市場ではいちばん大きいのだと8気筒まであります。ビジネスとなれば、そうしたバリエーションも必要になってくるでしょう。


福井 威夫
福井 威夫(ふくい・たけお)


1969年早大理工学部応用化学科卒、ホンダ入社。CVCCエンジンの開発や2輪レースに従事し87年にホンダ・レーシング社長兼本田技術研究所常務。88年ホンダ取締役、96年常務兼米国工場(HAM)社長。98年本田技術研究所社長、99年ホンダ専務、2003年6月に現職。東京都出身、58歳。学生時代からのラリーは入社直後まで続けたというレース好き。現在も愛車の『CR-V』などでサーキットに駆けつける。

池原 照雄
池原 照雄

1977年北九州市立大卒、日刊自動車新聞、産経新聞などで自動車、エネルギー、金融、官庁などを担当。00年からフリー。著書に「トヨタVS.ホンダ」(日刊工業新聞社)。山口県出身。

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