――宗一郎さんが「飛行機もやる」とおっしゃって40年です。福井社長の時代には実現できそうですね。
福井 大きく分けてピストンエンジンと、ジェットエンジンがあるのですが、ジェットエンジンの方は、機体も含めて開発していて年内を目標に実験機を飛ばす段階です。これはまだ、完全に研究段階で、われわれの狙っている性能を確認する段階です。その先には、ビジネスが開けて来るかも知れませんが、今のところ事業化については白紙です。ビジネスの検討に入ったのはピストンエンジンの方です。これはアメリカに相当大きな自家用機の市場があって、2人乗りから数人乗りくらいの範囲ですね。その機体のための動力源です。いまのアメリカのエンジンは依然として有鉛ガソリンなんです。政府もこれを何とかしなければならないと考えています。われわれのエンジンは、当然、無鉛ガソリンでメンテナンスもやり易いものを開発しています。うまく行けばアメリカの社会に貢献できるし、われわれにもビジネスのチャンスが来ると、こう思っています。
――時期的には?
福井 1年以内くらいに、ある程度ゴー・ストップの判断が出せるでしょう。
――ピストンエンジンはどれくらいの大きさですか。
福井 水平対向4気筒で、排気量は6リットルですね。今やっているのは4気筒ですが、市場ではいちばん大きいのだと8気筒まであります。ビジネスとなれば、そうしたバリエーションも必要になってくるでしょう。
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