二輪用品連合会、マフラー騒音規制の効果を疑問視

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オートバイ交換部品の製造者や販売者などで組織する全国二輪車用品連合会(JMCA/谷尾敏男会長)は、国土交通省自動車交通局が今年7月に公布を予定している、マフラー騒音規制強化に対して、統一見解を発表した。

07年マフラー騒音規制は、道路運送車両法の省令改正により、新車同様の騒音基準値でマフラー装置に型式指定制度を導入。現在、車検ごとに行われている近接排気騒音測定に加えて、走行中の騒音を測定し、その基準値内に収めようとするもの。

二輪車・四輪車を問わず、現在型式認証を受けていない輸入車と逆輸入車、および交換マフラー装着車が、実質的な対象となる。施行後は個人輸入などの例外的な車両は、輸入者や所有者の責任で専門機関に騒音基準値内であることを証明しなければならない。交換マフラー製造者や販売者を多く抱えるJMCAは、どう考えているのか。

「自動車環境騒音を低減することには賛成ですが、規制よりも取り締まりを強化するほうが、騒音公害をなくすという意味ではより効果的だと思うのです」(JMCA事務局長・張ヶ谷敏也氏)。騒音の元凶は、現状でも基準値を超えた騒音で走行する車両ではないかと指摘するのだ。

「本来排除しなければならないのは、非合法なマフラーを製造するメーカーやライダーのはず。現状でも十分罰則は重いのだから、国交省や警察が適切な取り締まりをすれば効果は上がるはずです。それなのに、今回の国交省の省令改正では、これまでも法令を遵守してきた車両や関係者に対する規制導入をするだけで、騒音苦情をなくす根本的な対策になっていません」

同省技術安全部は、各地の運輸支局などを通じて街頭検査で違法マフラーの取締りを実施することができる。しかし、不適切なマフラーの整備命令が年間何件発令されているかという実数を公表していない。運転中の携帯電話使用と同時に騒音運転について道路交通法を改正した警察も、ほとんど摘発に力を注いでいない。

そもそもJMCAは同省技術安全部の省令改正案では、騒音低減の実効性が見えないという。

「この規制は実質上、車検付の車両だけにしか適用されません。二輪車でいえば騒音が問題視されている違法マフラー装着のビッグスクーターなど、車検がない車両では、騒音規制が7月以降に強化されたとしても野放し状態が続くのです」(張ヶ谷氏)

規制強化は検、査項目を増やして検査機関の拡大を図るためではないかという、うがった見方も浮上する。本当に幹線道路の沿線住民の騒音被害を減少させるための施策が求められている。

《中島みなみ》

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